カモミール

やさしく穏やかな香りで多くの人に愛されているカモミール。
ハーブティーといえばカモミール、という方も多いでしょう。

今回は、カモミールの効果・効能や種類による違い、ティー以外の使い方など、カモミールを愛好する方からよく知らないという方まで、カモミールを楽しみつくすための情報をお届けします。

カモミールとは

カモミールとは

カモミール(英語:Roman Chamomile/German Chamomile)とは、白い小さな花を咲かせるキク科のハーブです。和名は「カミツレ」で、「逆境に耐える」「苦難の中の力」といった花言葉があります。
英国ナショナルトラスト協会が監修した『ハーブ図鑑110』(レスリー・ブレンネス著、槙島みどり訳、日本ヴォーグ社)によると、この花言葉は「踏みつけられれば踏みつけられるほど広がっていく」という旺盛な繁殖力から生まれたもののようです。

カモミール利用の歴史は古く、エジプトではカモミールを太陽に捧げ、その優れた治癒力から他のどのハーブにも増して崇拝したそうです。
古代アングロサクソンの写本『Lacnunga』では、ヨモギやイラクサ、フェンネルなどとともに9つの神聖なハーブのひとつとして数えられています。

その薬効が重宝され、さまざまに利用されてきたカモミール。
現在は日本でも栽培され、主にハーブティーとして使われています。

カモミールの種類と味・香り

カモミールにはいくつかの種類が存在します。
代表的なのは「ローマンカモミール」と「ジャーマンカモミール」の2種です。

種類 写真 特徴・味・香り
ローマン
カモミール
ローマンカモミール
・多年草
・リンゴに似た香りの花と葉をもつ
・薬効あり
・ティーはリンゴに似たフルーティーな香りだが苦みがある
ジャーマン
カモミール
ジャーマンカモミール
・一年草
・花は蜜のような香り
・薬効あり
・ティーはやさしく甘い香りで、味にクセがない
ダイアーズ
カモミール
ダイアーズカモミール
・黄色い花が染色に使われる
・食用には使われない
ノンフラワー
カモミール
・花はつかず、リンゴに似た香りの葉が芝生状になる
・食用には使われない

参考文献:レスリー・ブレンネス『ハーブ図鑑110』(日本ヴォーグ社)

似たようなものでは?と思われるかもしれませんが、用途は少し異なり、ハーブティーとしてはクセのない「ジャーマンカモミール」が好まれています。
ティーや精油、苗などを購入する際は、種類を確認して購入するようにしましょう。

カモミールの効果・効能

ビアトリクス・ポター『ピーターラビットのおはなし』で、お腹が痛くなったピーターにお母さんが「カミツレ」のお茶を飲ませる場面、覚えていらっしゃる方も多いかもしれません。

海外では子どもにもよく使われ、寝ぐずりや夜泣き対策のひとつとされることも多いというカモミールティー。
ローマン、ジャーマン種ともに次のような効果があるといわれています。

効果1 抗ストレス・抗不安・安眠効果

抗ストレス・抗不安・安眠効果

カモミールには鎮静、弛緩効果があるとされています。ティーにしていただけば、リラックスしたいときや就寝前などに気分を落ち着かせてくれるでしょう。

 

効果2 健胃効果

健胃効果

カモミールには優れた健胃効果があるそうです。吐き気をしずめたいとき、食べ過ぎたときなど胃の不調を感じたときだけでなく、食欲がないときにもどうぞ。

 

効果3 身体を温める効果

身体を温める効果

カモミールには身体を温める効果があり、冷え性改善に役立ちます。

風邪の引き始めなどにホットで飲むのもおすすめです。

 

効果4 抗炎症効果

抗炎症効果

カモミールには消炎作用、鎮痛作用、抗ヒスタミン作用があり、のどの痛みや皮膚の炎症に効果があるといわれています。
この効果は特にジャーマンカモミールが優れているようです。内用だけでなく外用としても。

 

参考文献:佐々木薫『ハーブティー事典』(池田書店)

カモミールの使い方

「カモミールは好きだけれど、ハーブティーとして使うくらいしか思いつかない」という方にぜひ知っていただきたい、暮らしの中でのカモミール活用法をご紹介します。

生葉・乾燥葉で:カモミールティー

カモミールティー

<カモミールティーのおいしい作り方>
1. ティーポットをお湯であたため、ティーカップ1杯分に対してティースプーン山盛り1杯のカモミールを入れます。
2. 沸騰したお湯をティーポットに注ぎます。
3. ポットにふたをして3分~5分蒸らし、カップに注ぎます。

<カモミールティーがまずい、味が気になるという方は…>
・苦みのあるローマン種で作る時はミルクティーにするのがおすすめ。
・ハチミツとの相性もよいといわれています。
・ラベンダーやレモンバーム、紅茶などとブレンドしてもおいしくいただけます。

<湿布・うがい薬として>
カモミールティーが余ったら、湿布やうがいに使ってみましょう。
湿布は傷や湿疹、やけどに。お茶を淹れ終えた後のティーバッグでパッティングするのもいいですね。
うがいに使うと喉の痛みや口の中の炎症に有効だそうです。

乾燥葉で:手作り化粧水でスキンケア

カモミール化粧水

肌を白くなめらかにするともいわれ、高いスキンケア能力を持つカモミール。ティーバッグのカモミールティーでも手軽に作ることができるので試してみてください。
材料1人分
調理時間5

手作り化粧水

 材料

・日本酒(純米酒)
360ml
・グリセリンカリ液
50ml
・ジャーマンカモミール(乾燥花)
15g
・ガラス瓶(煮沸消毒したもの)
・化粧水の容器
・お茶パック

 つくり方

1
清潔なガラス瓶の中にカモミールを入れます。ティーバッグならそのまま、バッグに入っていないものならお茶パックに入れてから使うと後で簡単に取り出せます。
2
1に日本酒を入れます。
3
瓶のふたをしめて冷蔵庫の中で1~2週間保存します。
4
お茶のパックを取り出し、化粧水の容器に移します。
5
グリセリンカリ液を加え、できあがりです。

手作り化粧水を使うときの注意点
・できあがった化粧水は冷蔵庫に保管し、1ヶ月ほどで使いきりましょう。
・使用前にパッチテストをしてください。
・キク科アレルギーの方は使用しないでください。

精油で:アロマオイルで暮らしを楽しむ

アロマオイル

カモミールの精油は高価ですが、独特の効果・効能が期待できるといいます。
種類によって効果が異なりますので注意してください。

種類 アロマオイルの特徴 おすすめの使い道
ローマンカモミール ・りんごのような穏やかな甘い香り
・ストレスや不安、緊張などを和らげる
・心への効果はジャーマンよりも強い
・リラックスしたいときや眠れないときの芳香浴に
・キャリアオイルで希釈し、バスオイルを作って入浴剤に
ジャーマンカモミール ・濃厚で甘い香り
・ストレスを和らげる効果がある
・「カマズレン」という成分を多く含むのが特徴
・抗炎症効果があり、アレルギーや皮膚トラブルに有効
・キャリアオイルで希釈して全身のマッサージに
・手作りハンドクリーム、リップクリームづくりなどに

カモミールの副作用と妊娠中の安全性

副作用

穏やかな作用で子どもにも安心して使えるといわれているカモミールですが、使用については注意点もあります。

まず、キク科アレルギーのある方は絶対に使わないようにしてください。
カモミールのティーを摂取後にアナフィラキシー反応を起こし、重度の呼吸困難などに陥った例があります。
また、過度に使用すると胃の筋肉を弱めることがあるともいわれていますので、アレルギーのない方も用量に注意して飲みましょう。
湿布として使用する際は目の近くを避けて使用するように注意してください。

妊娠中の使用については、流産や陣痛を引き起こすという医学的な証拠はないものの、安全性を保証できるだけの研究も行われていないようです。
カモミールティーはノンカフェインですが、妊婦の体質や病歴、摂取量によってはその抗炎症成分がリスクとなる可能性があるとも指摘されています。

妊娠中は医師に相談し、指導された用量を守って摂取するようにしてください。
また、妊婦の方はカモミールの精油は使わないでください。

カモミールについてのQ&A

カモミールには虫除け効果がありますか?
カモミールは園芸植物として植えると、近くの野菜や花につく害虫の被害を減らすことがあるといわれています。
ただし、アロマとして虫よけスプレーなどに入れても大きな虫よけ効果はないようです。
カモミールのお風呂に入りたいのですが、どんな方法がありますか?
お風呂に直接カモミールを入れてもうまく抽出できないので、乾燥したカモミールを煮出して煎じ液を作り、それをお風呂に入れるといいでしょう。
キャリアオイルにカモミールの精油を混ぜ、バスオイルにして使ってもいいでしょう。
カモミールティーを買ってみたものの、苦手な味でした。飲みやすくする方法を教えてください。
ミルクやハチミツを入れたり、紅茶とブレンドしたりする方法があります。
カモミールをスキンケアに使うとどんな効果・効能があるのですか?
レスリー・ブレンネス『ハーブ図鑑110』(日本ヴォーグ社)では、ローマン種、ジャーマン種ともに肌を白くなめらかにするのに役立つとしています。
カモミールの葉の利用法を教えてください。
ジャーマン種の葉は香りがないため使えませんが、ローマン種の葉にはリンゴのような香りがあり、ポプリやハーブ枕などに利用することができます。