羅漢果(ラカンカ)は危険?副作用や安全な食べ方とは
記事の監修
管理栄養士
影山敦久
管理栄養士、栄養教諭。子どもからお年寄りまで幅広い年代の方に栄養指導や料理教室を行うかたわら、特定保健指導にも携わる。得意分野はダイエットとスポーツ栄養。
「羅漢果は安全なの?」
「具体的な副作用や危険性があるのかを知りたい」
このように考えていませんか。
本記事では下記について解説しています。
羅漢果(ラカンカ)は危険?知っておきたい副作用
基本的には羅漢果は安全な食品であり、副作用が起きることはあまりありませんが、可能性として考えられるのが主に4点です。
順番に解説していきます。
糖質が高くて太る?
羅漢果自体のカロリーはゼロであり、羅漢果を食べたとしても太るわけではありません。
また、羅漢果は約14%程度の果糖を含んでいますが、甘みの大半は小腸で吸収されないテルペン配糖体です。
ただ、羅漢果の甘みは砂糖の300倍程度あるために、羅漢果を摂取し過ぎると甘みに慣れてしまい、食欲が増すことで他の食品も必要以上に摂取してしまう可能性があります。
そうなると、結果的にカロリーオーバーをきたし、太ってしまいます。
とはいえ、砂糖と比べるとカロリーも無いですし、甘みの性質も自然で優しい甘さなので、適量を摂取するように心がけていれば、太る心配は無いと言えるでしょう。
羅漢果は砂糖と違って抗酸化作用もありますので、アンチエイジングにも期待できます。
急に血糖値が下がる?
羅漢果自体は血糖値を下げるわけではありませんが、羅漢果の顆粒は羅漢果を100%使用しているわけではなく、加工のために混ぜ物をしています。
この混ぜ物を使用した製品単体を食べた場合や、他の食品との食べ合わせによっては、血糖値の上昇があまり無いにもかかわらずインスリンが分泌されてしまい、急に血糖値が下がってしまう低血糖状態になる可能性が考えられます。
ただ、羅漢果は糖尿病の治療食にも用いられており、体内のインスリンレベルを改善するといった研究も発表されています。
緩下作用(下痢)を引き起こす?
羅漢果は多量の食物繊維を含んでいますので、極端な量を一気に摂取すると消化器系に負担がかかり、お腹を下してしまうことがあります。
羅漢果は病気を治したり、改善させたりするものではありませんので、大量に摂れば摂るほど良いわけではありません。
やはり、適量の摂取にとどめておくべきです。
アレルギー症状が出る?
羅漢果の強力な抗酸化力によっては、体質の関係で体温が急激に上昇したり、血圧が上がったりといったアレルギーに似た症状がみられることが稀にあります。
このような症状があらわれた場合には、摂取を中止して様子をみるようにすると良いでしょう。
基本的には天然の食品ですので、摂取量を加減していれば、あまり心配する必要は無いでしょう。
羅漢果の安全な食べ方
羅漢果のおすすめの食べ方としては、乾燥した羅漢果の果実を煮出したものを利用します。
砂糖の替わりにコーヒーや紅茶、プレーンヨーグルトに入れても良いですし、肉料理の下準備の際に使用すると肉質が軟らかくなる効果もあります。
煮魚に使用しても煮崩れしにくくなりますし、臭みを消してくれます。
羅漢果の煮出したものをそのまま飲んでも優しい甘みが感じられるのでおすすめです。
ただ、前述したように砂糖よりも依存性が高いので、甘みが必要な場面で「常に使う」ということは避けるようにします。
あくまで適量の使用を心がけるようにすると、副作用の可能性を限りなく下げることができます。
適切な1日の摂取量
羅漢果の適切な1日の摂取量は、国が厳格に規定しているわけではありません。
ということは、見方を変えれば「危険性が高いものでは無いので、摂取量に関しては個人の裁量に任せる」という判断がされていると捉えることもできます。
本当に危険な物質であれば、国家的に排斥されているはずだからです。
また、羅漢果の摂取量に関して、動物実験ですが、体重1kgあたり3g摂取しても悪影響が無かったという研究報告がある程度で、人間を対象とした研究はありません。
ですので、現段階では、通常の食品に含まれる量を摂取する分にはおそらく安全である、という解釈となります。
さらに、個人個人の体質によっても副作用が出る量が違いますので、あくまで少量ずつ、様子をみながら摂取していき、体調に変わりがなければ徐々に増やしていくようにすると良いでしょう。
適切な羅漢果の量を使用したレシピ
前述したように、羅漢果を使用する際には最初に少量ずつ摂取していくことが大事です。
副作用に留意しつつ、羅漢果を少量用いたレシピをご紹介します。
羅漢果入りゼリー
5人分
材料
- 棒寒天
- 5g
- 羅漢果を煮出したもの
- 大さじ5杯
つくり方
- 1
- 棒寒天をぬるま湯に1時間程度浸しておきます。
- 2
- ①をしぼって小さめにちぎり、水600ミリリットルと羅漢果を一緒に煮ます。
- 3
- 寒天が溶けたら、さらに2分ほど煮てから、こします。
- 4
- 容器に移して、常温で固めます。
- 5
- 固まったら冷蔵庫で冷やして完成です。
羅漢果入りきんぴらごぼう
4人分
材料
- ごぼう
- 1本
- にんじん
- 3分の1本
- 酒
- 40ml
- 羅漢果を煮出したもの
- 大さじ3
- しょうゆ
- 大さじ1.5
- ごま油
- 適量
- 白ゴマ
- 少々
つくり方
- 1
- ごぼうを千切りにしてから数分水にさらしておきます。
- 2
- にんじんを千切りにします。
- 3
- フライパンに、ごま油を適量ひいてから、①と②を加えて火を通します。
- 4
- 酒と羅漢果、しょうゆを加えて水分が少量残るまで加熱して完成です。
お好みで白ゴマをかけると良いでしょう。
羅漢果についてのQ&A
羅漢果についてよく聞かれる疑問をQ&A方式でお答えしていきます。
- ダイエットに向いていますか?
- カロリーがゼロなのでダイエットに向いていますが、依存性があるので適量の摂取を心がけるようにします。
- 適切な摂取量はどのくらいですか?
- 明確な定めはありませんが、少量ずつ摂取し、体調に変化が無ければ少しずつ増やしていくと良いでしょう。
- どのタイプ(乾燥、エキス、顆粒)の羅漢果を買うべきですか?
- おすすめは、混ぜ物が無い乾燥した羅漢果を煮出して使うことです。
- 羅漢果を選ぶときに気をつけるポイントはありますか?
- 羅漢果を加工した、さまざまな製品がありますが、砂糖が混ぜられていないものや、添加物の少ないものを選ぶようにすると良いでしょう。
- 糖尿病が予防できますか?
- 砂糖の替わりに使うことで、血糖値の上昇を抑えることができます。
- アンチエイジング効果がありますか?
- 抗酸化作用がありますので、アンチエイジング効果に期待できるでしょう。
●管理栄養士からのコメント
羅漢果の副作用として考えられるのが、下記の4つです。
・太る
・急に血糖値が下がる
・お腹を下す
・アレルギー症状が出る
ただ、羅漢果を極端な量摂取することで、副作用が起きる危険性が高まりますが、適量の摂取では問題ありませんので、安心して召し上がってください。
普段の飲み物に入れたり、料理の甘みとして使用することで、砂糖よりもカロリーをカットしながら美味しく頂くことができます。
ぜひ普段の食生活で摂り入れてみてはいかがでしょうか。
管理栄養士プロフィール
◎影山敦久
管理栄養士、栄養教諭。子どもからお年寄りまで幅広い年代の方に栄養指導や料理教室を行うかたわら、特定保健指導にも携わる。得意分野はダイエットとスポーツ栄養。