お通じを改善する飲み物と食べ物|スッキリ腸内環境を整えて全身を健やかに

お通じ

「毎日出ないけれどこれって便秘?」「毎日出ているけれどスッキリしない…」
誰にでもあるお通じの悩み。よくあること、と思って放っておくと、お腹だけでなく全身に影響を与えることも…?!

今回は、お通じに関する素朴な疑問からお通じを改善するためのさまざまな方法、良好なお通じが全身に及ぼす効果まで、快腸で過ごすための情報をたっぷりとご紹介します。

お通じを改善する飲み物と食べ物

適切な食事と生活習慣は、お通じを良くするための車の両輪のようなもの。
どちらが欠けても腸が弱ってしまいます。
まずは食事によるお通じ対策のポイントから見ていきましょう。

1.水と油:身体に優しい便秘解消法

水と油

スルッとした快適なお通じのために、「水」の飲み方を変えてみましょう。

お通じのための「水」の摂取量と飲み方

お通じに難のある方の便は、大腸にとどまるうちに水分を吸収されてカチカチになり、さらに出づらくなっていることが多いといわれています。
汗をかきやすい時期などは水分が不足しないように注意し、1日に1.5~2リットル程度は摂るようにしましょう。

特にお通じに効果があるといわれているのが、「朝一番にコップ1杯の水を飲むこと」
空腹時の胃に水が入ると「胃・結腸反射」という反応が起こり、大腸のぜん動運動のスイッチが入るとされています。これだけで便秘が治った方もいるという、すべての方に試していただきたい習慣です。

お通じのための「油」の摂取量と飲み方

一方の「油」は、オリーブオイルが便秘に有効であるとされています。
オリーブオイルの主成分のオレイン酸は腸管内に吸収されにくく、短時間のうちに多量に摂取することで腸管内に残留。
便をやわらかくして排便を促進してくれるのだそうです。

実験では、朝食時に大さじ2杯の摂取を2週間続けたところ、下剤を使用して治療中の便秘症の患者さん64件中63件で症状の改善がみられたとか。
加熱してあっても問題ないということなので、料理に積極的に使ってみてください。

便秘改善に効く飲み物: お茶でお通じをサポート

便秘改善に効くお茶の種類
便秘に効くといわれている飲み物を一部ご紹介します。

・ドクダミ茶…すぐれた解毒作用・緩下作用があるといわれています。
・杜仲茶…腸のはたらきを促し、便通効果があるといわれています。
・ハトムギ茶…便通改善効果のほか、美肌効果なども期待できるようです。
・ローズヒップティー…緩下作用や利尿作用のほか、アンチエイジングにおすすめです。
・ミントティー…腸内に溜まったガスを排出する効果があるといわれています。
・タンポポ茶…便秘解消に効くほか、消化不良にも効果があるとされています。
・ゴボウ茶…便秘解消のほか、血糖値を下げる効果もあるとされています。
・カモミールティー…おだやかな効き目で、就寝前にもおすすめです。

佐々木薫『ハーブティー事典』(池田書店)

2.プロバイオティクスとプレバイオティクス

プロバイオティクス

次は腸内環境を整える食材の選び方をご紹介します。
腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌の増殖を抑えることで腸のはたらきを整えることができます。
そのために積極的に摂りたいのは、善玉菌を直接摂取できる「プロバイオティクス」と善玉菌のエサとなる「プレバイオティクス」です。
前者は発酵食品、後者はオリゴ糖や食物繊維が該当します。
両方をバランスよく摂っていくとよいでしょう。

良いお通じのために積極的に摂りたい食材の例

乳酸菌が含まれる発酵食品 ・漬物類…ぬか漬け、キムチ、しば漬け、たくあん、すぐき漬けなど
・発酵乳…ヨーグルト、ケフィア、チーズなど
・調味料など…味噌、醤油、甘酒など
・サプリメント…乳酸菌サプリメント
オリゴ糖が含まれる食材 ・オリゴ糖シロップ、顆粒オリゴ糖
・大豆
・バナナ、コーヒーなど
・玉ねぎ、ヤーコン、ごぼう、アスパラガスなど
食物繊維が含まれる食材 野菜(ごぼう、にんじん、かぼちゃ、アボカド、さつまいもなど)
豆類(大豆、そらまめ、納豆、おからなど)
穀類(玄米、ライ麦、雑穀など)
海藻(ワカメなど)
果物(りんご、ブルーベリー、キウイフルーツなど)

発酵食品からとれた乳酸菌パウダー

食事の摂り方:便通をサポートする食事のコツ

食事内容だけでなく、食事の摂り方も大切です。

  • ①朝食を抜かずにしっかり食べる
  • ②3食のリズムを大切にし、間食・夜食を食べない
  • ③就寝時には空腹の状態にしておく

食事のリズムを整え、満腹時と空腹時のメリハリをつけることで、腸がしっかりと便を肛門へ送ってくれるといわれています。

便秘改善に効果的なヨーグルトの選び方

乳酸菌やビフィズス菌は、どのような菌種でも大腸のはたらきを支え、便秘を改善する効果があるといわれています。中でも効果が高いといわれているのは次の種類です。

  • ・ビフィズス菌BE80株
  • ・ビフィズス菌GC2505株
  • ・EC-12株
  • ・サーモフィラス菌1131株
  • ・ビフィズス菌BB536株
  • ・乳酸菌シロタ株

この他にも数多くの菌が、便通改善に有効であるとされています。

お通じが良好か要改善か、自分でわかる方法

お通じ

「お通じ」は腸からのお便りです。
しっかりと観察してケアにつなげれば全身の状態を改善し、悪い状態を放置してしまえば病気に発展する可能性もあります。

「お通じ」は全身の状態を映す鏡

ところが、便秘とは思っていなかった人が実は「隠れ便秘」だったり、気になっていた症状が特に問題なかったり…。
まずは自分のお通じを観察して、「良好お通じ」か「要改善お通じ」かをチェックしてみましょう。

良好お通じと要改善お通じの見分け方

良好お通じ 要改善お通じ
便の色
黄色~黄土色 茶色~黒
便のにおい
においが少ない 悪臭がある
便の形状
バナナ型 コロコロ、カチカチ、ベタベタ
便の出方
やわらかくスルッと出て、水に浮かぶ がんばってようやく出る、切れが悪い
排便感覚
スッキリと出し切る 残便感がある
排便頻度
個人による 個人による
その他の特徴
・臭いの強いおならが出る
・お腹が張った感じがある
・便がコロコロになったり下痢になったりを繰り返す
どんな状態?
・ビフィズス菌が多い状態
・腸の中が酸性
・悪玉菌が多い状態
・腸の中がアルカリ性

便秘の可能性がある?自己診断の方法

よくある悩みに、「毎日ウンチが出ないのは便秘?」というものがありますが、3日に1度でもスッキリと出し切れていれば問題ないそうです。
4日以上出ていない場合は腸の中に大量の便が溜まってカチカチ状態になっている可能性も高いので、医療機関で相談してみるのもいいでしょう。

反対に、「毎日出ているから大丈夫」と思っている方でも、スッキリと出ずに残便感がある場合は便秘の可能性もあります。
毎日の排便の記録をつけて確認してみてください。

「要改善お通じ」を放置すると?

要改善お通じ

お通じの悪い状態を放置すると、腸内の悪玉菌が増加。悪玉菌は身体に有害な毒素を生産し、全身に次のような影響を及ぼします。

  • ・肌荒れ
  • ・アレルギー症状
  • ・免疫力の低下
  • ・生活習慣病の誘発
  • ・老化の促進
  • ・口臭、体臭の発生

出典:後藤利夫『乳酸菌がすべてを解決する』(アスコム)

また、お通じの悪い方には「排便を我慢する」といった放置すると取り返しのつかないことになる癖をもっている方も。
善玉菌は年齢とともに減少するとも言われており、腸を整えるのであれば早めの取り組みがおすすめです。

お通じの改善に役立つ乳酸菌パウダー

お通じをスムーズにする生活習慣

生活習慣

お通じを整えるために、食事と同じくらい大切なのが生活習慣です。
3つのポイントに気を付けて、便秘になりづらい身体をつくっていきましょう。

1. 適度な運動

今まで便秘知らずだった人が、入院などして運動をしなくなった途端に便秘になる、というのはよくある話なのだそうです。
運動は身体の振動や筋肉の動きにつながり、腸内の便の移動とスムーズなお通じにつながります。

では激しい運動の方がいいのか?というと、実はそうではありません。
腸のぜん動運動が活発になるのは副交感神経が優位になっているリラックス時。激しい運動をしている間は交感神経が優位になっているため、腸は動かないのだそうです。

腸を動かすのであれば、ゆったりとした動きの運動が一番。
特に上半身の動きが加わるラジオ体操などは、腸をもみほぐすことにつながるのでおすすめです。

2. 筋力の維持

便秘になる原因のひとつに、「お腹の筋肉が弱い」ということが挙げられます。
腹圧が弱くなってうまくいきめなくなったり、腸の筋肉に緊張がなくなることでぜん動運動が弱まってしまったり。
さらに腸を支える筋力が不足したために腸が下がって便がうまく移動できなくなったり…。
特に女性は年齢を重ねるうちにこうした症状が出がちだといわれています。

毎日少しずつのトレーニングで、お腹の筋力を維持していきましょう。

<お通じ改善!おなかの筋トレ方法>

筋トレ

  • 1.足を肩幅より少し広めに開いて立ち、両手を頭の後ろで組みます。
  • 2.息を吸いながら、ゆっくり腰を落とします。ひざがつま先より前に出ないように気を付けましょう。
  • 3.息を吐きながら、ゆっくり1の姿勢に戻ります。
  • 4.1~3を8回ほど繰り返します。

出典:後藤利夫『乳酸菌がすべてを解決する』(アスコム)

3. 睡眠&リラックス

便は眠っている間に腸の中を移動し、S状結腸まで届きます。朝起きたタイミングで水や朝食を摂ることで排便スイッチを入れ、夜の間に送られてきた便を排泄する、というのが理想的な排便リズムです。
ところが睡眠時間が短いと腸がぜん動運動をする時間が短くなり、朝起きた時に便がS状結腸まで送られてきていない、ということに。
遅くとも0時までには就寝するのが、腸のためには理想的であるといわれています。

また、腸のはたらきと密接な関係にある自律神経を整えることも大切です。
朝はしっかりと太陽の光を浴びること、夜は刺激を与えすぎず、就寝前はPCやスマホの画面を見ずにゆったりと過ごすことが、良質な睡眠と安定した腸の活動とにつながります。

腸内環境を整えて全身を健康に

健康

生活リズムを整え、善玉菌を増やす食生活によって腸内環境が整うと、お通じが改善されるだけでなく、全身に次のようなうれしい効果があります。

<腸内環境を整えることで得られる効果>

  • ・肌荒れの改善効果
  • ・血糖値の上昇抑制効果
  • ・血圧の上昇抑制効果
  • ・歯周病の予防効果
  • ・血中コレステロールの上昇抑制効果
  • ・脂肪の蓄積抑制効果
  • ・ストレスの緩和効果
  • ・アトピー、花粉症などのアレルギー改善効果
  • ・免疫力アップ効果
  • ・潰瘍性大腸炎の予防効果

参照:後藤利夫『乳酸菌がすべてを解決する』(アスコム)

毎日の食事を整えるのが難しい、という方には、手軽に摂れるサプリメントもおすすめです。
乳酸菌などのサプリメントは、2週間程度継続して摂取することで効果が実感できるといわれています。
腸に合う菌は一人一人異なるといわれているため、「乳酸菌、以前飲んだことあるけど効果がなかったからなぁ…」という方も、菌種が違えば効果が実感できる可能性も。
自分の腸内フローラに合った菌を探してみてください。

乳酸菌の種類と効果

乳酸菌の種類と効果
私たちの体を守ってくれる免疫機能が集中している「腸」。
整腸作用の他にも、乳酸菌にはさまざまな効果を発揮することがわかってきました。
今回は、乳酸菌に期待できる効果について詳しく紹介していきます。
乳酸菌の種類と効果の記事を見る

乳酸菌の上手な摂取法とは?「大腸の専門医」後藤利夫先生に聞きました。

乳酸菌の上手な摂取法とは?「大腸の専門医」後藤利夫先生に聞きました。
腸内環境が悪化するとどんな悪影響があるのか、改善するにはどうしたらいいか。
普段見ることが出来ない自分のお腹の中でどんなことが起こっているのか?
乳酸菌サプリの効果なども詳しく解説していきます!
「大腸の専門医」後藤利夫先生についての記事を見る

お通じ改善の疑問解決!よくあるQ&A

生理の頃になるとお通じがよくなる気がします。
女性の身体では、月経がはじまるとプロスタグランジンというホルモンが産生されます。
このホルモンは子宮を収縮するだけでなく腸の運動も促進するため、月経時はお通じがよくなるそうです。
お通じが毎日ないと便秘ですか?
お通じが毎日なくても、スッキリと出て残便感がなければ便秘とはいえません。
4日以上出ない場合は便秘とされています。
お通じがないときに飲める薬は?
市販の便秘薬の中には、腸を刺激して便を排出させるものもあります。
そういった下剤タイプのものは長期間使うと腸が依存し、ますます便を排出しづらくなってしまうことも。
薬は医師に処方されたものを飲むのがおすすめです。
お通じの悩み、どんな場合に病院に行くべきですか?
食生活や生活習慣を改善しても解消されない場合や、便が細くなってきた場合、血便、便の色がコールタールのように真っ黒になった場合などは医療機関を受診しましょう。
薬が原因で便秘になることがあると聞きました。
消化管のはたらきを抑える薬や、脳のはたらきを抑える作用がある抗精神病薬・抗うつ薬、高血圧やがんの治療に使われる薬などに、副作用として便秘になりやすいものがあるとされています。
かかりつけの医師に確認してみましょう。

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この記事を書いた人

パン作りと温泉をこよなく愛する2児の母。老後は伊豆で大きな犬と暮らすのが夢です。豆乳が好き、猫は苦手。