MCTオイルダイエットの方法｜摂取量や糖質制限について徹底解説
ダイエットの強力な味方として話題沸騰のMCTオイル。
なぜ効くの？ 具体的なダイエットのやり方は？
気になるポイントから細かな注意点までを徹底解説します！
もくじ
MCTオイルダイエットとは？
MCT（中鎖脂肪酸）とはココナッツや母乳などに含まれている天然の脂肪酸です。加熱に弱いため一般的に食用にされることは少ないですが、医療やスポーツなどの分野で利用され、その効能について研究がすすめられています。
私たちが普段摂っている油に多く含まれる「長鎖脂肪酸」と比較すると速やかに身体に吸収され、脂肪になりづらくエネルギーになりやすいという特徴を持っています。
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このMCTの特徴を利用したダイエットがMCTオイルダイエットです。
糖質制限ダイエットの一種で、ブドウ糖の代わりとなるエネルギー源「ケトン体」を利用することからケトジェニックダイエットとも呼ばれています。
従来の糖質制限ではなかなか効果が出にくかった方も、脂肪の燃焼を促進するMCTオイルを利用すれば「効率的で」「筋肉は落とさず」「空腹をほとんど感じない」夢のようなダイエットが可能であるともいわれています。
- ケトジェニックダイエットとは？
- ケトジェニックダイエットとは、炭水化物を減らして脂質を多く摂取する食事制限ダイエットのことです。
- 厳しい食事制限があるダイエット方法ですが、その分短期間での減量が期待できると言われています。
- 詳しくはコチラをご覧ください。
MCTオイルで痩せる秘密は「ケトン体」にあり！
MCTオイルがダイエットに有効であるポイントは「利用するエネルギーの切り替え」にあります。詳しく見ていきましょう。
ケトン体の利用で「お腹がすかない体質」へ
人が活動するためのエネルギー源は炭水化物（ブドウ糖）であるという考えが一般的ですが、実は人の身体はブドウ糖だけでなく肝臓で作られるケトン体（アセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸）もエネルギー源とすることができます。
ケトン体の利用についての説明でよく例えられるのが、電気とガソリンの両方を燃料として利用するハイブリッド自動車です。人の身体はまずブドウ糖をエネルギーとして使いますが、体内の糖質を使い切るとケトン体を作ってそれを主なエネルギーとして利用します。
ケトン体は満腹中枢だけを刺激するため、糖質の摂取を止めてケトン体を利用する状態に切り替わると人は空腹を感じにくくなります。さらに蓄えた脂肪を燃料として燃やすため、効率的にダイエットすることができるのです。
MCTオイルは、体内でケトン体が作られるのを促進し、ケトン体を主なエネルギー源として利用する「ケトン体質」に身体を切り替える手助けをするといわれています。
| 糖質を利用する場合 | ケトン体を利用する場合 | |
|---|---|---|
| エネルギーの元として使われるのは | ブドウ糖 | ケトン体（アセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸） |
| 利用されるのは | 食べた糖質（5～6時間おきに糖質を摂る必要がある） | 身体についている脂肪 |
| どんな時にそうなる？ | ブドウ糖が身体にある時（糖質の多い食事をしている時） | ブドウ糖が身体にない時（糖質を断ち、肝臓に貯めてある予備のブドウ糖を使い切った時） |
| 特徴 | ・血糖値の上昇・下降などによって空腹を感じる ・インスリンの働きで脂肪を溜め込みやすい ・糖を摂りすぎると肥満のほか、さまざまな身体の不調につながるとされている |
・空腹を感じにくくなる ・脂肪が燃焼しやすい ・糖の過剰摂取によるリスクがない |
糖質制限+MCTオイルで素早くケトン体質に
MCTオイルを使った糖質制限ダイエットには、ただの糖質制限と比較して次のようなメリットがあります。
- メリット①大量のケトン体を合成
- MCTは体内に入ると大量のケトン体を合成。MCTオイルを飲むと、数時間後にはケトン体が作られることが分かっています。
- メリット②筋肉が落ちるのを防ぐ
- よくある糖質制限は「炭水化物を食べずにタンパク質を多く摂る」ものですが、ケトン体質になるためにはタンパク質の摂取もある程度抑える必要があります。
タンパク質の摂取を抑えると摂取カロリーまで少なくなりすぎ、筋肉が落ちてしまう心配が。ここでMCTオイルを摂ることで、不足するカロリーを効率的に摂ることができます。
- メリット③脂肪の燃焼を促進
- 体内ですぐに分解されるMCT。この作用が体内に溜まっている長鎖脂肪酸にも影響し、脂肪の燃焼を助けるといわれています。
- オイルを摂っても太らないの？
- 太るというイメージをお持ちの方も多いオイル類ですが、MCTオイルは摂るとすぐに肝臓で分解され、エネルギーとして使われるので、脂肪にはなりづらいのだそう。
- ちなみに中鎖脂肪酸といえばココナッツオイルが有名ですが、ココナッツオイルには中鎖脂肪酸と同時に脂肪として蓄積しやすい長鎖脂肪酸が40%含まれているため、ダイエットにはあまり向かないそうです。ダイエットに使用するなら、中鎖脂肪酸100%のMCTオイルを選びましょう。
MCTオイルダイエットのメリット
糖質を過剰に摂取していると言われている現代人。
糖質の過剰摂取は血糖値の急激な上昇・下降とインスリンの過剰分泌を引き起こし、次のような不調の原因にもなると考えられています。
- ・糖尿病などの生活習慣病
- ・眠気
- ・うつ症状
- ・肩こり
- ・アレルギー
- ・肌トラブル
MCTオイルダイエットで糖質依存から抜け出すことは、こうした体調不良の改善につながります。また、MCTオイルを飲むことで大腸のエネルギーといわれる短鎖脂肪酸が供給され、便秘になりにくいという嬉しい効果もあるそうです。
ケトン食は認知症の改善や肝機能の改善、がんの抑止につながるとも言われ、研究が進められています。
MCTオイルを手軽に摂取したい時におすすめ
MCTオイルダイエットの方法
「糖質を制限した食事にMCTオイルをプラスする」これがMCTオイルダイエットの基本ですが、成功させるためにはさまざまな細かいポイントがあります。また「夜だけ」「3日間だけ」「1ヶ月程度続ける場合」など個人の理想やライフスタイルに合わせてやり方もさまざまです。
この記事では本気で痩せたい方のための「長期プログラム」と手軽に試せる「夕食だけMCTオイルダイエット」の2種類をご紹介します。
MCTオイルダイエットの基本
MCTオイルの摂取量は大さじ1程度が目安です。
体のエネルギーとして利用されやすい反面、腸での吸収率が良いために下痢や腹痛を引き起こす可能性があります。また、MCTオイルは油です。大さじ1杯だけでも100kcal近くのエネルギーがあり、不要な分まで摂ればもちろん体脂肪になります。
MCTオイルは過剰摂取を避け、体調に合わせて大さじ1杯程度を摂るようにしてください。
MCTオイルダイエットの方法は、糖質を制限した食事にMCTオイルをプラスするというものですが、健康的に続けるためには制限することにより不足しがちな栄養を補いながら行う必要があります。
畠山昌樹『驚異のMCTオイルダイエット』（幻冬舎）では、MCTオイルダイエット中に摂取するものは次の4種類。①～④の順番で摂るようにします。
- ①野菜ジュース
- 適量の糖質とむくみをとるカリウムが含まれた野菜ジュース。
1回200mlで、カリウム量が700～800mgのものが推奨されています。
- ②炭水化物を控えた食事
- 食事は魚介類、葉物野菜、きのこ類、海藻類などを中心にし、砂糖の入った飲料や調味料などを避けたメニューを。具体的なカロリーの目安は続ける期間などによって異なります。
摂るタイミングは、野菜ジュースを飲んでから30分～1時間後が目安です。
- ③サプリメント
- サプリメントは、食事で不足しがちなビタミンやミネラルを補うために必要です。
『驚異のMCTオイルダイエット』では、「マルチビタミン/ビタミンC」「鉄・銅・亜鉛」「DHA・EPA」「カルニチン」「レシチン」などのサプリメントを摂取することが推奨されています。
- ④オイルドリンク
- MCTオイルは、食事に関係なく摂れるようドリンクに入れると良いでしょう。
牛乳や無糖コーヒー、豆乳など、どんなドリンクに混ぜてもOKです。
MCTオイルの摂取量は1回20g（大さじ1杯強）、飲むタイミングは食後15分後を目安にしてください。
MCTオイルダイエット長期プログラム
本気のダイエットを目指すなら、3食糖質制限を行ってケトン体質を続けるこちらの方法がおすすめ。1ヶ月間の長期ダイエットにも対応した内容ですが、まずは2週間続けてみましょう。
＜食事内容＞
朝食：野菜ジュース+糖質を控えた朝食（200kcal）+サプリメント+MCTオイルドリンク
昼食：野菜ジュース+糖質を控えた昼食（200kcal）+サプリメント+MCTオイルドリンク
夕食：糖質を控えた夕食（100kcal）+サプリメント+MCTオイルドリンク
就寝前：サプリメント+MCTオイルドリンク
＜ポイント＞
- ・食事の間隔は3時間以上空けます。
- ・厳密に考えすぎると続けづらくなりますが、目安としては3食分のカロリーが500kcal以下、炭水化物が50g以下、タンパク質が30～40g以下になるようにします。
- ・2週間～1ヶ月のダイエット期間後は「夕食だけMCTオイルダイエット」に移行して体重を維持するなど、体重や体調を確認しながら行いましょう。
- ・食事のメニューは後述する食材表を参考にしてください。
- ・水分をしっかりと摂るよう心がけてください。
- ・どうしてもお腹が空いたときはチーズなどを食べるようにします。
参考：
畠山昌樹『驚異のMCTオイルダイエット』（幻冬舎）
夕食だけMCTオイルダイエット
たくさん用意するものがあって面倒そう…そんな初心者の方でも試しやすいのが、夕食だけ糖質を控えるMCTダイエットです。野菜ジュースとサプリメントを用意しなくても、MCTオイルだけ準備すればすぐに試すことができます。
夕食だけのダイエットであっても、昼から朝まで糖質を食べなければその間は身体がケトン体質に近づくといわれています。慣れると簡単で、続けやすい方法です。
＜食事内容＞
朝食：普段どおりに摂る
昼食：普段どおりに摂る
夕食：糖質を控えた食事+MCTオイルドリンク
これを毎日続けます。
間食はしないように気をつけましょう。
MCTオイルダイエットで食べたいもの、避けたいもの
MCTオイルダイエットでは、糖質を含むものを避けた食事を摂ります。
糖質はごはんやパンなどの他、根菜や果物などにも含まれますので注意しましょう。
| 食べたい食材 | 避けたい食材 |
|---|---|
| ・鶏肉、豚肉などの肉類 ・白身魚、イカやアサリなどの魚介類 ・ほうれん草、小松菜などの葉野菜 ・ピーマンなど糖質の少ない緑黄色野菜 ・しめじやえのき茸などのきのこ類 ・わかめなどの海藻類 ・チーズ ・ゆで卵 ・豆腐や納豆 |
・パン・麺類・ごはん ・揚げ物 ・餃子など皮に小麦粉を使った料理 ・ビスケットやケーキなどの洋菓子全般 ・羊羹などの和菓子全般 ・じゃがいも、さつまいも、かぼちゃ、にんじん、玉ねぎ・トウモロコシなど糖質の多い野菜 ・清涼飲料水 ・みりんなど糖質を含む調味料 |
MCTオイルを使ったレシピ
この記事ではMCTオイルをドリンクにして行うダイエットをご紹介しましたが、たまにはドリンク以外で摂りたい！ということもありますよね。食事の中でMCTオイルを摂れるレシピをご紹介します。
ヘルシーマヨネーズ
材料
- 卵 1 個
- リンゴ酢 大さじ 1
- 海塩 小さじ 1/2
- MCTオイル 180 g
作り方
- 卵をボウルに入れ、リンゴ酢と塩を加えます。
- ハンドミキサーでしっかりと混ぜます。
- ボウルにMCTオイルを少しずつ入れながら、さらに混ぜていきます。
- しっかりと混ぜ、乳化してきたら完成です。
MCTオイル和風ドレッシング
材料
- MCTオイル 大さじ 2（30ml）
- 醤油 大さじ 1（15ml）
- ゆず又はレモン果汁 大さじ 2（30ml）
作り方
- 材料をすべて容器に入れ、ブレンダーでよくかき混ぜます。
- しっかりと混ざったらでき上がりです。
MCTオイルダイエットの注意点
MCTダイエットを行うにはいくつかの注意点があります。しっかりチェックして安心のダイエット生活を送ってください。
- ・MCTダイエットを始めると、代謝の方法が切り替わる際にだるさを感じることがあります。1日経って元に戻るようであれば心配いりません。
- ・風邪をひいた際は一時的にお粥などの炭水化物を摂取しましょう。また、症状によっては病院を受診してください。
- ・糖質を過剰に摂取している方は、急激な糖質制限によって低血糖の症状（めまい、吐き気、冷や汗、動悸など）が出る可能性があるので注意してください。
- ・ 糖尿病患者の方がMCTオイルを摂取する場合には、事前に医師に相談してください。
MCTオイルの摂取量に注意！
MCTオイルは、いくら「健康によい」「燃焼しやすい」といっても”オイル”です。過剰に摂取すればカロリーも摂りすぎになりますし、余分なカロリーは身体に溜まります。
さらには胃腸への負担となり嘔吐や下痢などの症状が出ることも。多く摂ったからといってダイエットの効果が高まるわけではありません。使用は適量を守りましょう。
MCTオイルダイエットについてのQ&A
- 筋トレにも有効なのか
- MCTオイルはスポーツ時のパフォーマンスを上昇させるという実験結果もありますが、筋肉を「増やす」効果があるわけではありません。筋肉を落とさずにダイエットが可能なので、筋肉を「維持したい」方にはおすすめです。
- MCTオイルは加熱しても大丈夫？
- MCTオイルは発煙点が低く、加熱はおすすめできません。出来上がった料理に生の状態でかけましょう。
- MCTオイルとプロテインを混ぜて摂ってもOKか
- MCTオイルはプロテインと混ぜて摂っても構いません。
- MCTオイルは料理に使えますか？
- MCTオイルは匂いや味に癖のないオイルです。料理に使う場合は、加熱せずドレッシングなどのように料理の最後にかけて使うことをおすすめします。サラダ以外にも、冷奴や納豆にかけるなど、料理にコクを出すために使ってみてください。
- MCTオイルを飲むタイミングは？
- MCTオイルを摂るタイミングは食後15分以上経ってからがおすすめです。
参考文献：
・畠山昌樹『驚異のMCTオイルダイエット』（幻冬舎）
・白澤卓二『体が生まれ変わる「ケトン体」食事法』（三笠書房）
・江部康二『人類最強の「糖質制限」論』（SB新書）
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