【管理栄養士監修】亜麻仁油の使い方|加熱する食べ方がNGな理由も紹介

亜麻仁油レシピ10選

亜麻仁油(アマニ油)は、体にうれしいオメガ3脂肪酸を豊富に含んだ植物性オイルとして、注目を集めています。多くの健康・美容への影響が期待できる一方で、正しい使い方を知らないと魅力を十分に引き出せません。

特に気をつけたいのは「熱に弱い」という性質。加熱調理に使うと栄養が壊れてしまうため、生での摂取が基本になります。また、酸化しやすい繊細な油なので、保存方法や摂取量にも注意が必要です。

この記事では、亜麻仁油の効果的な取り入れ方から、保存のコツ、飽きずに続けられるアレンジレシピまで、初心者にもわかりやすくご紹介します。健康や美容に関心のある方はもちろん、家族の毎日の食事に取り入れたい方も、ぜひ参考にしてみてください。

記事の監修
管理栄養士
安藤
老人保健施設の管理栄養士を経て、健康を維持するためには若いうちからの食生活の大切さを実感。2016年フリーランスとして活動を開始。レシピ開発や栄養指導、料理教室、食に関するコラムの執筆などを行っている。

もくじ

亜麻仁油の使い方のポイント3選

亜麻仁とは?

ここでは、亜麻仁油を毎日の生活に無理なく取り入れるための3つの大切なポイントを紹介します。

  • 加熱せずに生のまま摂取する
  • 酸化しないように遮光対策する
  • 過剰摂取に注意する

ひとつずつ、具体的に見ていきましょう。

加熱せずに生のまま摂取する

亜麻仁油に豊富に含まれるオメガ3系脂肪酸(α-リノレン酸)は、健康や美容にうれしい働きを持つことで知られています。ただし、この栄養素は非常にデリケートです。特に熱に弱く、高温にさらすと簡単に酸化してしまいます。せっかくの栄養をしっかり摂るためには、「加熱しないこと」がとても大切です。

たとえば、炒め物や揚げ物に亜麻仁油を使うと、有効成分が熱によって変性・分解されてしまうおそれがあります。栄養を無駄にしないためにも、サラダのドレッシングや料理の仕上げにひとかけするなど、加熱しない方法で使うのが基本です。

具体的には、納豆やヨーグルト、スムージーに混ぜるのがおすすめ。あるいは、味噌汁を火から下ろした直後に加えるといった工夫も効果的です。これなら栄養をしっかり守りながら、油特有のクセも気になりにくくなります。

どうしても加熱調理が必要な場合は、低温での加熱にとどめましょう。たとえば、炒めるのではなく「温める」程度に。短時間であれば、酸化のダメージをある程度抑えることができます。ただし、栄養価を優先するなら、やはり生で摂るのが理想的です。

「油をそのまま飲むのはちょっと…」という方も、少量をヨーグルトやジュースに混ぜるだけでぐっと飲みやすくなります。最初は違和感があるかもしれませんが、慣れてくると毎日のルーティンに自然と組み込めるようになります。加熱を避けて上手に取り入れれば、亜麻仁油の持つ力をしっかり活かせるでしょう。

酸化しないように遮光対策する

亜麻仁油は、非常に酸化しやすい油です。光や空気に触れると劣化が進み、風味が落ちるばかりか、体にとって好ましくない物質が生成される可能性もあります。せっかくのオメガ3脂肪酸の健康効果をきちんと享受するためには、酸化を防ぐ工夫が欠かせません。

保管場所は冷暗所が基本です。とくに冷蔵庫のドアポケットなどは温度変化が少なく、光も届きにくいので最適な保管場所といえます。逆に、直射日光の当たる窓際やコンロ周りなど、室温が高くなりがちな場所に置くのは避けましょう。

容器選びも重要なポイントです。中身が透けない遮光瓶に入っているものを選ぶと安心です。もし透明な容器のものを購入した場合は、使い始める前に遮光性のあるボトルに詰め替えるのもひとつの手です。

そして、開封後はできるだけ早く使い切るのが理想です。一般的には1〜2カ月以内の使用が推奨されています。ですが夏場は気温も高く酸化が進みやすいため、早めの消費を心がけましょう。もし、生臭さや苦味が強くなってきたと感じたら、それは酸化が進んだサインです。処分をおすすめします。

大切なのは「なるべく新鮮なうちに、少しずつ使うこと」です。この意識を持つだけで、亜麻仁油の栄養をしっかり体に取り込めるようになります。

過剰摂取に注意する

亜麻仁油はヘルシーな印象が強い油ですが、使い方を間違えると、思わぬ落とし穴もあります。たとえば、日々の食生活にそのまま追加する形で取り入れてしまうと、すでに使っている油やドレッシングと合わせると、脂質の総量が過剰になってしまうことも。気づかないうちに「足し算」ばかりになってしまいます。

亜麻仁油はオメガ3脂肪酸を豊富に含むので、健康や美容のために取り入れたいオイルです。しかし、他の油と同様に、1gあたり約9キロカロリー程度あります。そのため、他の油との置き換えを意識しながら使うことが大切です。

たとえば、普段使っているサラダ油やオリーブオイルを少し減らしてみましょう。その代わりに亜麻仁油を使う方法がおすすめです。ただ「追加する」のではなく、「差し替える」ことが脂質のコントロールにつながります。そうすれば、トータルのカロリーや脂質量を抑えつつ、オメガ3の効果を無理なく得られるでしょう。

亜麻仁油は、毎日の生活に上手に溶け込ませてこそ真価を発揮します。少量を賢く取り入れ、無理なく脂質のバランスを整えてみてください。

参考:
日本食品標準成分表(八訂)増補2023年:文部科学省
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書|厚生労働省

亜麻仁油を加熱する食べ方がNGな理由

亜麻仁油納豆

亜麻仁油は「加熱NG」とよく言われますが、それにはしっかりとした理由があります。

  • 加熱すると分子構造が変質しやすい
  • 酸化した油が老化や病気のリスクになる
  • 生臭くい風味になる

それぞれ見ていきましょう。

加熱すると分子構造が変質しやすい

亜麻仁油に豊富に含まれるα-リノレン酸は、私たちの体内では作ることができない必須脂肪酸のひとつです。血液をさらさらにしたり、炎症を抑えるなど、多彩な健康効果が期待されており、日々の食事に取り入れることでその恩恵を得られます。

しかし、その高い栄養価の裏には、非常にデリケートな性質も隠れています。特に注意したいのが、熱に対する弱さです。α-リノレン酸は二重結合を多く含む構造のため、不安定で加熱による変質が起こりやすいのです。

実際、140〜160℃といった炒め物や揚げ物に使われる温度域に達する前に、すでに一部のオメガ3脂肪酸は劣化が始まってしまうと考えられています。これにより、栄養効果が失われるだけでなく、風味も落ちてしまいます。苦味や変なにおいがする、色が濁るといった変化が起きるのは、酸化や異性化(構造が変わる反応)が進んでしまった証拠です。

実際、加熱によってα-リノレン酸が異性化し、トランス脂肪酸のような構造に変化することが報告されています​。また、熱による酸化過程では、アルデヒドやケトン、アルコールなどの揮発性成分が生成されることも確認されています。これらは風味の変化に直結する要因となります​。

さらに問題なのは、そうして変質した脂肪酸が体内で細胞膜やホルモンの材料として使われる可能性があることです。本来の形とは異なる構造の脂肪酸が材料となれば、当然その機能にも狂いが生じるかもしれません。

特に危険なのが、揚げ物に使うケースです。180℃を超える高温では、亜麻仁油はその性質を保てず、ほとんどの有効成分が壊れてしまいます。炒め物でも、加熱時間が長引けば栄養素の損失は避けられません。

ちょっとした使い方の違いが、健康効果に大きな差を生みます。火にかけない。それが、亜麻仁油と上手につき合うための基本です。

参考:
Li et al., 『Food Science & Nutrition』, Wiley Online Library, 2021年, 「Thermally induced isomerization of linoleic acid and α‐linolenic acid in Rosa roxburghii Tratt seed oil」
LIU et al., 『Food Science and Technology』第43巻, SciELO Brazil, 2023年, 「Volatile metabolite profiling of linolenic acid oxidation in the heating process」

酸化した油が老化や病気のリスクになる

オイルが酸化すると、体にはさまざまな悪影響が及びます。その代表例が、過酸化脂質の増加です。過酸化脂質は、不飽和脂肪酸が酸化されてできるもので、体内では活性酸素(ROS)の発生源となります。この活性酸素が細胞を攻撃し、老化や動脈硬化の一因になるとされています。

特に注意したいのが、加熱された亜麻仁油です。熱によりα-リノレン酸の分子構造が崩れると、酸化が急激に進行します。このとき発生する酸化副生成物により生じる影響は、単に栄養価が失われるだけではありません。体内に取り込まれた場合、細胞膜を構成する脂質に悪影響を及ぼし、細胞の働きを阻害したり、炎症反応を引き起こしたりする可能性があるのです。

また、こうした酸化脂質の蓄積は、血管壁にダメージを与えます。動脈硬化や高血圧といった慢性疾患のリスクを高めることが、複数の研究で指摘されています。健康を意識して摂っている油が、逆にリスク要因になってしまうのは避けたいところです。

もちろん、酸化した油を一度に少量摂取しただけで大きな健康被害が出るわけではありません。しかし、毎日少しずつ摂り続けた場合、その影響は長期的に蓄積される可能性があります。

こうした背景を踏まえると、やはり亜麻仁油は加熱せずに使用するのが最も適しています。価格も安くはないため、新鮮なうちに、酸化を避けながら使い切るのが賢明です。丁寧に扱うことで、健康にも家計にもやさしい選択となります。

参考:
和光純薬工業, カタログ『酸化ストレス関連試薬』, 2023年, 「酸化ストレスによるDNA損傷とマーカー分子」
Frontiers, 『Frontiers in Nutrition』, 2021年, 「Lipid Oxidation Products on Inflammation-Mediated Hypertension and Atherosclerosis: A Mini Review」

生臭い風味になる

亜麻仁油には、ナッツのようなほのかな香ばしさと、植物由来の独特な風味があります。この香りを「健康的」と好む人もいる一方で、加熱するとその印象が大きく変わってしまいます。

実際、炒め物や温かい料理に亜麻仁油を使ったとき、「生臭いにおいがする」「何か違和感のある匂いが立ち上る」と感じる人も少なくありません。料理の仕上がりに影響が出て、家族から「このにおい苦手かも」と言われれば、次に使うのをためらうのも無理はないでしょう。

これは、亜麻仁油が加熱によって香りの成分が変質し、鼻につくような不快な匂いに変わってしまうためです。また、風味だけでなく栄養面でも影響があります。亜麻仁油に含まれるビタミンEなどの成分は高温に弱く、加熱によってその効果が損なわれてしまうおそれがあります。

とはいえ、すべての加熱調理がNGというわけではありません。昭和女子大学の研究では、炒め物のような「高温・短時間」の加熱調理であれば、亜麻仁油の酸化はある程度抑えられることが確認されています。具体的には、加熱時間が4.5分以内であれば、油の劣化を示す酸価や過酸化物価、カルボニル価といった指標に大きな変化は見られず、風味や品質にも悪影響は少ないという結果が出ています。

さらに、加熱直後と、加熱してから少し時間が経過した状態を比較しても、味や香りの評価に大きな差はなかったと報告されています。つまり、条件を守れば炒め物などでの使用も可能だということです。

ですが非加熱で使うほうが安心で扱いやすいのは確かです。亜麻仁油の風味はそのままなら強く主張せず、ヨーグルトやスムージー、サラダなどに加えるだけで日常的に取り入れやすくなります。「匂いも気にならず食べやすい」といった声も多く、初めての方には非加熱での使用がおすすめです。

参考:榎戸真理・大橋きょう子, 『生活機構研究科紀要』第25巻, 2016年, 「食用亜麻仁油の加熱調理における劣化の程度及び嗜好評価」

亜麻仁油のおすすめの食べ方

ここでは、亜麻仁油を毎日の食事に手軽に取り入れるためのアイデアやレシピをご紹介します。加熱せずに使うのが基本だからこそ、サラダやヨーグルト、スムージーなど、生で食べる料理にぴったりです。ちょっとした工夫で、ぐっと取り入れやすくなります。


亜麻仁油のレモンドレッシング

亜麻仁油のレモンドレッシング

亜麻仁油が苦手な人にもおススメ!簡単レモンドレッシングです。
4.22 from 85 votes
調理時間 3 mins
材料(人分) 4

材料
  

  • 亜麻仁油 大さじ 2
  • 大さじ 2
  • ひとつまみ
  • 黒胡椒 ひとつまみ
  • レモン汁 大さじ 1

作り方
 

  • 材料すべてを混ぜ合わせれば完成です。
このレシピのキーワード アマニ油, 亜麻仁油, オメガ3
アマニ油スムージー

亜麻仁油と小松菜のスムージー

4.38 from 27 votes
調理時間 5 mins
材料(人分) 1

材料
  

  • 小松菜 1
  • バナナ 1/2
  • 牛乳 120 cc
  • 亜麻仁油 小さじ 1

作り方
 

  • 小松菜をざく切りにし、バナナは2cm幅程度に切っておく。
  • 小松菜、バナナ、牛乳をミキサーに入れて攪拌する。
  • 最後に亜麻仁油を入れて混ぜる。

動画

このレシピのキーワード アマニ油, 亜麻仁油
手軽!亜麻仁油とドライフルーツのヨーグルト

亜麻仁油とドライフルーツのヨーグルト

亜麻仁油の香りが気にならない、手軽で美味しい亜麻仁油のヨーグルトレシピです。
4.54 from 13 votes
調理時間 2 mins
材料(人分) 1

材料
  

  • 亜麻仁油 小さじ 1
  • お好みのドライフルーツ ひとつかみ
  • ヨーグルト 150 g
  • オートミール 大さじ 2

作り方
 

  • ヨーグルトにオートミールお好みのドライフルーツと亜麻仁油をかければ完成です。

コツ・ポイント

毎日の習慣に亜麻仁油を取り入れたいところですが、ヨーグルト単体にかけると香りが少々気になるなんて声も。そんな方にはドライフルーツで甘みやナッツで香ばしさをプラスしてみるのがおすすめです。栄養価もグン!とUPして2度うれしいですね。オートミールなどをさらに追加すれば主食にもなりますよ。
このレシピのキーワード アマニ油, 亜麻仁油, オメガ3

亜麻仁油にありがちな間違った使い方

最後に、亜麻仁油を取り入れるうえで、ありがちな誤った使い方について整理しておきましょう。健康にいいと思って始めたのに、その扱い方を間違えると、むしろ効果が半減したり、思わぬリスクにつながることもあります。

具体的なNG例は以下の通りです。

  • 他の油と間違えて炒め物に使ってしまう
  • 開封後に常温で保存してしまう
  • 開封から半年以上使いきれていない

それぞれ解説します。

他の油と間違えて炒め物に使ってしまう

亜麻仁油を普通の食用油と同じように使ってしまうと、思わぬ落とし穴にはまることがあります。なかでも、フライパンで炒め物に使うのは、もっとも避けたいNGパターンの一つです。

亜麻仁油は非常に熱に弱い性質を持っています。高温になると、せっかく豊富に含まれているオメガ3脂肪酸が壊れてしまいます。さらに、独特の風味が変質し、不快なにおいを感じやすくなるのです。ごま油やサラダ油のように加熱調理で使ってしまうと、健康効果どころか、逆に胃への負担になる可能性もあります。

短時間の低温炒めであれば多少はマシかもしれませんが、それでも香りが強く出やすく、好みが分かれます。加熱時間が長くなるほど、栄養面のメリットはどんどん失われていくのが現実です。もし、健康や美容を目的に亜麻仁油を使っているのであれば、炒め物などの高温調理はできるだけ避けるのが賢明でしょう。

どうしても炒め物に使いたい場合には、火を止めたあとの仕上げに数滴たらす程度がベターです。それでも完全な非加熱の状態に比べれば効果は落ちてしまうため、「あくまで補助的に」と考えておくとよいでしょう。

油はどれも同じと思っていると、ついうっかり間違った使い方をしがちです。サラダ油やオリーブオイルなどと一緒に棚に並べていると、無意識にフライパンへ投入してしまうことも。そんなミスを防ぐためにも、亜麻仁油はあえて別の場所に保管しておくのがおすすめです。

開封後に常温で保存してしまう

亜麻仁油を開封したあと常温で放置してしまうのは、よくあるミスのひとつです。調理台のそばや食器棚など、手の届きやすい場所に置きっぱなしにしてしまう気持ちはよくわかります。ですが亜麻仁油には不向きな環境です。

亜麻仁油は非常に酸化しやすい性質を持っています。空気や熱、光にさらされると、あっという間に劣化が進んでしまうのです。風味が落ちるだけでなく、栄養成分も壊れてしまい、せっかくの健康効果が失われます。

開封後はすぐに冷蔵庫に移すのが鉄則です。そして瓶はきちんと密閉しましょう。夏場は「冷暗所」とされる場所でも室温が高くなることが多いため、冷蔵保存がもっとも確実です。ただし、あまり奥にしまい込みすぎると存在を忘れてしまうので、取り出しやすさとのバランスを見ながら工夫してみましょう。

また、遮光ボトルに入っている商品でも、完全に光を防げるわけではありません。日が当たる場所に置くのは避け、暗所保管を徹底することが大切です。特にプラスチック容器の場合、紫外線を通しやすいものもあるので、気になる方はアルミホイルなどで包んでもよいでしょう。

最後までおいしく、そして安全に使い切るには、保存方法がカギになります。亜麻仁油は「デリケートな健康オイル」と心得て、丁寧に扱いましょう。

開封から半年以上使いきれていない

最後に注意したいのが、開封した亜麻仁油を長期間使わずに放置してしまうケースです。

亜麻仁油は酸化しやすいという特性があります。開封後は1~2カ月以内に使い切るよう推奨するメーカーが一般的です。それ以上の期間放置すると、風味や香りが劣化するだけでなく、肝心の栄養価も大きく損なわれてしまいます。半年以上もそのままにしておけば、もはや口にするには適さない状態になっている可能性もあるでしょう。

とはいえ、「思ったより減らない」と感じる場合は、毎日の食事に少量ずつ取り入れられるレシピを増やすのがおすすめです。

  • 朝のスムージーに加える
  • 昼に納豆ご飯へ混ぜる
  • 夜の味噌汁に数滴垂らす

1日で何度か使うことを習慣にすると、自然と消費ペースが上がっていきます。使い慣れてくれば、サラダ油のように無理なく取り入れられるでしょう。

大容量タイプは一見お得に思えるかもしれません。ですが使い切れずに酸化してしまえば、結局は無駄になります。まずは家族の消費ペースを見極め、小さめのボトルから試してみるのが賢明です。

つい「もったいない」と感じて古い油を残してしまうこともあるでしょう。ですが酸化の進んだ油は、せっかくの健康効果を台無しにするだけでなく、体に負担をかける恐れもあります。必要な分だけを適切に購入し、フレッシュなうちに使い切るのが、亜麻仁油の魅力を最大限に活かす秘訣です。

亜麻仁油は非加熱が基本!使い方をマスターしよう

亜麻仁油は、体に必要なオメガ3系脂肪酸を豊富に含んでいるのが特徴です。ただし、このオイルは熱に弱いため、炒め物や揚げ物などの加熱調理には不向きです。基本的には生で摂ることを前提に使うのが理想的です。

また、亜麻仁油は非常に酸化しやすい性質を持っています。光や空気に触れることで劣化が進むため、保存方法にも注意が必要です。購入時は遮光性のある容器に入ったものを選び、直射日光や高温多湿を避けた冷暗所で保管しましょう。

1日の摂取量としては、小さじ1杯(約4.6グラム)が適量です。健康のためとはいえ、摂りすぎるとカロリーオーバーや胃もたれなどにつながります。無理なく日々の食事に取り入れていくことが大切です。

亜麻仁油の使い方についてのQ&A

亜麻仁油はなぜ加熱してはいけないのですか?

亜麻仁油に含まれるオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)は非常に熱に弱く、加熱すると分子構造が壊れてしまいます。その結果、栄養価が失われたり、体に悪影響を及ぼす酸化物質が発生したりするためです。

亜麻仁油はどんな使い方ができますか?

亜麻仁油は、ドレッシングに使ったりヨーグルトや納豆にかけるなど簡単に使うことができます。ただしオメガ3脂肪酸は熱に弱く加熱すると栄養分が破壊されてしまうため、一般的な亜麻仁油は炒め物や揚げ物には向いていないものがほとんどです。

亜麻仁油はどのように保存すればいいですか?

亜麻仁油は、高温や光に弱いので直射日光の当たらない冷暗所で保管してください。また、開封後は早めに使い切るようにしましょう。

亜麻仁油を毎日摂るおすすめの方法は?

ヨーグルトやスムージーに混ぜたり、サラダのドレッシングとして使用したりすると無理なく摂取できます。味噌汁などに火を止めた後で数滴加えるのもおすすめです。

亜麻仁油の1日の適量はどのくらい?

一般的には小さじ1杯(約4.6グラム)が目安です。摂りすぎるとカロリーオーバーになる可能性があるので注意しましょう。

開封後、どのくらいの期間で使い切るべきですか?

開封後は1~2カ月以内に使い切るのが理想です。特に夏場は酸化が進みやすいため、早めに使い切ることが大切です。

亜麻仁油の風味が変わったときはどうすればいいですか?

栄養価が大きく損なわれるだけでなく、不快な風味に変わり、酸化による健康リスクも高まります。炒め物や揚げ物には使わないようにしましょう。

亜麻仁油が苦手な人におすすめの食べ方は?

レモンドレッシングやドライフルーツ入りヨーグルトに混ぜると、風味がまろやかになり食べやすくなります。

管理栄養士からのコメント

オメガ3系の油はなかなか意識しないと取りづらいので、加熱もできる亜麻仁油は取り入れやすくて嬉しいですね!

管理栄養士プロフィール

安藤

老人保健施設の管理栄養士を経て、健康を維持するためには若いうちからの食生活の大切さを実感。
2016年フリーランスとして活動を開始。レシピ開発や栄養指導、料理教室、食に関するコラムの執筆などを行っている。
また「食を見直すならまずは毎日使う調味料から」をコンセプトに地元愛知県三河のみりんや味噌などの伝統的な調味料の素晴らしさを伝えるセミナーなども開催。

食や栄養に関すること全般ですが特に
・調味料について(みりん、味噌や醤油などの製法やどんなものを選ぶと良いかなど)
・体に優しいスイーツの選び方、作り方
・ダイエットレシピの考案
・時短レシピの考案を得意としています。

かわしま屋おすすめの亜麻仁油


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この記事を書いた人

福岡出身博多弁のぬけきれないアラサーママです。
おかあさんといっしょの歌はだいたい歌って踊れます。

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