亜麻仁油とえごま油の違いや選び方|オメガ3がイイ理由!


記事の監修

この記事は管理栄養士の方に監修していただいています

管理栄養士

影山敦久

管理栄養士、栄養教諭。子どもからお年寄りまで幅広い年代の方に栄養指導や料理教室を行うかたわら、特定保健指導にも携わる。得意分野はダイエットとスポーツ栄養。

「亜麻仁油とえごま油、どちらの方が身体にいいの?」
「オメガ3が体に良いと聞いたけど、どのように摂取したら良いんだろう?」
「どの食材にオメガ3は豊富に含まれているんだろう?」
「1日にどのくらいの量を摂取したら良いんだろう?」
「オメガ3を摂取するときの注意点があれば知りたい」
このように考えていませんか。

それでは早速これらの疑問にお答えしていきましょう。

「亜麻仁油」と「えごま油」の違いは?

亜麻仁油とは?えごま油との違いは?

亜麻仁油とはアマ科の植物の種子から抽出された油で、えごま油はシソ科の植物の種子から抽出された油のことです。

亜麻仁油とえごま油どっちがいいの?栄養は?

亜麻仁油とえごま油どっちがいいの?栄養は?

亜麻仁油と同じくオメガ3脂肪酸が豊富に含まれている油として、えごま油を想像される方も多いはず。
亜麻仁油と、えごま油には、一体どのような違いがあるのでしょうか。
亜麻仁油と、えごま油どちらにも、人間の体内で生成ができず、食品からの摂取が必要となるオメガ3脂肪酸を豊富に含んでいることです。
となると、亜麻仁油とえごま油では、どちらに多くオメガ3が含まれているのかなど気になりますよね。
飽和脂肪酸・多価不飽和脂肪酸・ビタミンKなど亜麻仁油の方が多く配合されている成分も一部もあるものの、実は成分自体にはあまり大きな違いはありません。
文部科学省の食品栄養データベースの情報では、亜麻仁油とえごま油100g当たりに含まれるオメガ3(n-3系多価不飽和脂肪酸)は亜麻仁油が56.63g、えごま油が58.31gなので、えごま油の方が若干オメガ3を多く含まれていることになります。
味や香りの違いは、亜麻仁油の方がえごま油よりも強めですが、大きなクセはありません。
しかし、両方とも酸化が進むとクセが強くなりので、不快香りがした場合は口にするのを避けましょう。
亜麻仁油は、食べ物として利用されるほかにも、インク・塗料などさまざまな用途で活用されています。

えごま油の歴史は長く、平安時代初期には灯明油として利用されていたと言われています。
現代の活用方法は、亜麻仁油と同じく塗料・香料などさまざまです。

あわせて読みたい
えごま油の効果・効能|危険な食べ方もあるの? オメガ3系脂肪酸を豊富に含むことが特徴で身体に良いと言われている「えごま油」。 そのえごま油の効果効能や、気になる危険性など詳しく掲載しています。 また同じように身体に良いとされている亜麻仁油とえごま油の違いや、美味しいえごま油を見極めるコツ、えごま油を使ったレシピもご紹介しています。

オメガ3とは必須脂肪酸のひとつ

オメガ3

オメガ3とは、多価不飽和脂肪酸の1つで、別名、必須脂肪酸と呼ばれています。
成分としてはDHA(dha)やEPA(epa)、α-リノレン酸などを指します。
このオメガ3を毎日適量を摂取することによって、精神障害に対する効果や脳の発達、抗炎症効果や美肌効果に期待できるとされています。
食品の中には亜麻仁油・えごま油、青魚などに多く含まれています。
オメガ3の効果については下記の記事に詳細に説明していますので、気になる方はぜひご覧ください。

オメガ3

オメガ3は効果あり?効果なし?|ダイエット効果や副作用について

「必須脂肪酸」であるオメガ3系脂肪酸。健康効果が期待されている一方で「効果なし」と言われることも。この記事では、具体的にどのような効果があるのか、どんな副作用があるのか、ダイエットには効果があるのかなど、気になる疑問にお答えしています。
オメガ3は効果あり?効果なし?の記事を見る

そんな体にうれしいオメガ3ですが、実は人間の体で合成できない成分です。
そのためオメガ3を補っていくには、オメガ3の入った食事を毎日摂り続ける必要があります。
しかし、日本人は食事が欧米化(肉食化)したことにより、オメガ3摂取量が足りないんだとか。
であれば、今の食生活を肉食から変えよう!と決意はしても実際にずっと魚中心の食事を意識し続けることは難しいですよね。
そこで無理なくオメガ3を摂取したいときにおすすめなのが亜麻仁油とえごま油です。

オメガ3の摂取には亜麻仁油とえごま油がおすすめ!その理由とは

オメガ3が多く含まれる食品は圧倒的に亜麻仁油とえごま油

日々の食事で補っていくしかない、オメガ3。
そんなオメガ3が多く含まれている食品と含まれる量はこちら

食品名 100gあたりのオメガ3の量
亜麻仁油 56g
えごま油 58g
チアシード 17g
種実類/くるみ/いり 8g
まぐろ 1g

表を見てみても圧倒的に亜麻仁油とえごま油にはオメガ3が含まれているのが分かりますね。

亜麻仁油とえごま油ならオメガ3を余すことなく効果的に摂取できる

オメガ3を毎日摂取するのに亜麻仁油とえごま油をおすすめするのはもう一つ理由があります。

実は魚などでオメガ3を摂ろうとした場合、上の表のオメガ3の量は実際には取れていないかもしれません。
オメガ3は熱に弱い性質のため、加熱調理するとオメガ3などの成分が流出してしまいます。
さらに魚などは季節によっても大きくオメガ3などの成分量がかわります。

そのため魚でオメガ3をとるなら、刺身で食べるなど加熱しないでとること、旬の青魚をつかうこと、が大事なのです。

しかし毎日刺身を食べ続けるというのはかなり厳しいお話。

18~29歳の1人あたりのオメガ3目安摂取量は1日あたり1.48gとされています。亜麻仁油やえごま油であれば、一日小さじ1杯で4gのオメガ3が取れるので楽に効果的に続けられます。

オメガ3を効果的に食べる方法は亜麻仁油えごま油とサプリ

摂取方法

オメガ3を効果的に食べるポイントとしては先述のように亜麻仁油やえごま油をメインに食事でとること。さらにオメガ3サプリメントも要所でつかうのもおすすめ。

オメガ3サプリメントの選び方

オメガ3サプリ

オメガ3サプリメントの選び方としては、オメガ3以外にもビタミンなどの他の栄養成分が追加されていること、酸化しやすいオメガ3の成分の品質管理が徹底されている可能性の高いGMP(注)という厳しい国内基準を通ったものを選ぶようにすると良いでしょう。
保存方法としては、酸化を防ぐために常温ではなく冷蔵庫保管にします。

注:GMP…製造管理や品質管理について、厚生労働省令によって厳格に定められた基準のこと

参照:東京都健康安全研究センター

サプリメントでオメガ3を摂取するときの注意点や摂取量

授乳中や妊娠中の場合では、血液をサラサラにする薬を飲むことがあります。
そのような場合では、サプリメントでオメガ3を摂取すると、処方されている薬によっては悪影響を及ぼす可能性がありますので、かかりつけの医師に確認すると良いでしょう。
また、魚や甲殻類に対してアレルギーがある方も注意します。
仮に摂取しても問題無いとされた場合でも、記載された摂取目安量以上は摂らないようにしましょう。

さらに、オメガ3サプリメントをとる際に問題になるのがサプリメントの価格の高さです。
毎日続けると金銭的な負担になってしまう可能性もあります。

そこで、サプリメントは外食先などでとるなどスポットで活用する立ち位置でもっておき、普段は食事に亜麻仁油やえごま油をちょい足しするスタイルをおすすめ致します。

オメガ3たっぷり亜麻仁油やえごま油はオメガ6とバランスよく摂るとさらに効果的に

オメガ3を摂りたいあまりに、亜麻仁油やえごま油、オメガ3サプリだけを食べるのはやめましょう!
オメガ6(グレープシードオイルやコーン油、大豆油などに含まれています)脂肪酸もオメガ3とバランスよく取り入れることでそれぞれの効果が発揮できます。

必須脂肪酸であるオメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸の摂取比率4:1を目標にしましょう。

オメガ3たっぷり亜麻仁油とえごま油の選び方

摂取方法

選び方1.オメガ3が失われない製法かどうか

亜麻仁油やえごま油は熱に弱いので、コールドプレス製法(低温圧搾法)で搾られたものを選んでください。
コールドプレス製法(低温圧搾法)とは30度以下の熱におさえて圧力をかけながらゆっくり搾油する方法のことです。
原料の栄養を最大限に油にできるので、オメガ3を逃さず摂取できます。

また、化学溶剤を使わず物理的に圧搾されたものの方が安心です。

さらに、このような製法で作られた亜麻仁油やえごま油はえぐみや臭みが少ないので、美味しく召し上がれます。

選び方2.オメガ3が劣化しない容器かどうか

亜麻仁油やえごま油は酸化しやすいので、すぐに劣化が始まってしまいます。
劣化を防ぐためには、入っている容器が遮光性のあるものがおすすめです。

そうすることで最後まで安心してお使いになれます。

ぜひこの2つのポイントをクリアした亜麻仁油やえごま油を試してみてくださいね。

オメガ3たっぷり!おすすめ亜麻仁油・えごま油レシピ

簡単ドレッシング

亜麻仁油の代わりに、えごま油を使用しても良いでしょう。しょうゆ、酢などの分量はお好みで変えてもOKです。
材料1人分
調理時間5

簡単ドレッシング

 材料

亜麻仁油
大さじ1
しょうゆ
大さじ1
砂糖
小さじ1
大さじ1
お好みでブラックペッパー
少々

 つくり方

1
すべての材料を混ぜ合わせて完成です。

簡単マヨネーズ

添加物の無い健康的なマヨネーズです。1度に全ての、えごま油を加えると乳化しにくいので、段階的に攪拌(かくはん)していきましょう。
前述したドレッシングと同様に、亜麻仁油で代用しても良いでしょう。
材料4~5人分
調理時間40

簡単マヨネーズ

 材料

えごま油
40g
15g
卵黄
1つ
はちみつ
小さじ1

 つくり方

1
材料を室温に戻しておき、フードプロセッサーに、えごま油大さじ1と残りの材料を加えて10分程度攪拌していきます。
2
残っている、えごま油の半量を加えて、さらに15分攪拌します。
3
最後に全ての、えごま油を加えて、15分攪拌して完成です。

お子様にも!亜麻仁油コールスローサラダ

お子様にも!亜麻仁油コールスローサラダ

お子様の健やかな健康のために良質な油は大切ですよね。そんなお子様でも亜麻仁油を美味しく食べられるレシピです。
3.85 from 13 votes
調理時間 5 mins
材料(人分) 4

必要な道具

  • ボウル

材料
  

  • キャベツ 3
  • 人参 1/3
  • コーン缶 1
  • ハム 2
  • マヨネーズ 大さじ 2
  • すりごま 大さじ 1/3
  • ひとつまみ
  • 砂糖 小さじ 1
  • 大さじ 1
  • 亜麻仁油 小さじ 1

作り方
 

  • キャベツ、人参を千切り、ハムは5mm幅に切ります。コーンは汁気を切っておきます。
  • 野菜は千切りにしたあと塩水にひたしてしんなりさせ、ざるで切り、ペーパータオルで水気をとります。
  • 調味料をボウルで混ぜ合わせます。
  • 調味料を混ぜたボウルに水気を切った野菜とコーン、ハムを加えて全体を混ぜ合わせ、最後に亜麻仁油を回しかけたら完成です。
このレシピのキーワード アマニ油, 亜麻仁油, オメガ3

アマニ油スムージー

アマニ油と小松菜のスムージー

4.73 from 18 votes
調理時間 5 mins
材料(人分) 1

材料
  

  • 小松菜 1
  • バナナ 1/2
  • 牛乳 120 cc
  • アマニ油 小さじ 1

作り方
 

  • 小松菜をざく切りにし、バナナも2㎝幅ぐらいに切っておく。
  • 小松菜、バナナ、牛乳をミキサーに入れて攪拌する。
  • 最後にアマニ油を入れて混ぜる。

動画

このレシピのキーワード アマニ油

亜麻仁油とえだまめのおにぎり

亜麻仁油と塩昆布とえだまめのおにぎり

冷めても美味しい!栄養満点&彩りもきれいでお弁当にもおすすめです。
4.59 from 12 votes
調理時間 3 mins
材料(人分) 2

必要な道具

  • ボウル

材料
  

  • 白ご飯 2
  • 塩昆布 大さじ 1
  • えだまめ 20 さや
  • 亜麻仁油 小さじ 1

作り方
 

  • ボウルに白ご飯、亜麻仁油、えだまめ、塩昆布を入れて混ぜます。
  • 全体がよく混ざったら形を整えて握り、完成です。
このレシピのキーワード アマニ油, 亜麻仁油, オメガ3, 亜麻仁

亜麻仁油たまごかけご飯

「亜麻仁油」で極上たまごかけご飯

ぜひ試していただきたい、コクを感じるたまごかけご飯です。
4.37 from 19 votes
調理時間 3 mins
材料(人分) 1

材料
  

  • 亜麻仁油 小さじ 1
  • 生卵 1
  • 醬油 小さじ 1
  • 鰹節 ひとつかみ
  • ご飯 1

作り方
 

  • ご飯をよそい、生卵、醬油、鰹節をのせます。
  • 最後に、亜麻仁油をまわしかけたら完成です。

コツ・ポイント

・亜麻仁油は良質なたんぱく質と一緒に食べるとより栄養の吸収がUP!されます。ひとつひとつの材料にこだわるとより素材の味が際立った美味しいたまごかけごはんになること間違いなしです。
・卵が苦手な方は卵ぬきでもお試しください!その場合は亜麻仁油とご飯をしっかり混ぜ合わせることで亜麻仁油のコクが卵かけごはん風になるのだとか。
このレシピのキーワード アマニ油, 亜麻仁油, オメガ3

手軽!亜麻仁油とドライフルーツのヨーグルト

亜麻仁油とドライフルーツのヨーグルト

亜麻仁油の香りが気にならない、手軽で美味しい亜麻仁油のヨーグルトレシピです。
4.8 from 10 votes
調理時間 2 mins
材料(人分) 1

材料
  

  • 亜麻仁油 小さじ 1
  • お好みのドライフルーツ ひとつかみ
  • ヨーグルト 150 g
  • オートミール 大さじ 2

作り方
 

  • ヨーグルトにオートミールお好みのドライフルーツと亜麻仁油をかければ完成です。

コツ・ポイント

毎日の習慣に亜麻仁油を取り入れたいところですが、ヨーグルト単体にかけると香りが少々気になるなんて声も。そんな方にはドライフルーツで甘みやナッツで香ばしさをプラスしてみるのがおすすめです。栄養価もグン!とUPして2度うれしいですね。オートミールなどをさらに追加すれば主食にもなりますよ。
このレシピのキーワード アマニ油, 亜麻仁油, オメガ3

オメガ3に関するQ&A

オメガ3を摂取すると副作用がありますか?
過剰摂取は出血を促進させるという報告もありますので、あくまで適量の摂取を心がけましょう。
オメガ3を摂取すると筋トレに効果がありますか?
まだまだ研究段階ですが、筋肉量の低下を遅らせる可能性があると言われています。
オメガ3を摂取するとアトピーが改善しますか?
アトピーが治るわけではありませんが、アレルギーの緩和が期待できると言われています。
オメガ3サプリメントを飲むタイミングは、いつが良いですか?
基本的には、食事の際に忘れず飲むようにすると良いでしょう。
オメガ3を摂取すると、脳に影響して頭が良くなりますか?
頭が良くなるわけではありません。
ただ、認知機能の改善に寄与する可能性があると言われています。

●管理栄養士からのコメント

オメガ3脂肪酸は、女性に嬉しい美肌効果やアンチエイジングにも期待できます。
日々の食生活において積極的に摂取していきたい成分ですが、摂り過ぎは脂肪の蓄積につながりますし、健康を損なう原因になってしまいます。
毎日適量を摂取していくことが、オメガ3の効果効能が得られる条件です。
さらに、オメガ3は健康効果が期待できる反面、とてもデリケートな成分です。
加熱や光に当たることで酸化してしまうため、加熱せずに摂取すると栄養素を損なうことなく体に吸収することができます。
人間の体にとって必要不可欠な「必須脂肪酸」をしっかり摂取するために、原料にはこだわりたいもの。
余計な添加物の入っていない「有機」の表示がある商品を選ぶことで、体や心を健やかに保ってくれるきっかけになります。
ぜひ、毎日の生活に摂り入れてみてはいかがでしょうか。

稲尾 貴子

管理栄養士プロフィール

◎影山敦久

管理栄養士、栄養教諭。子どもからお年寄りまで幅広い年代の方に栄養指導や料理教室を行うかたわら、特定保健指導にも携わる。得意分野はダイエットとスポーツ栄養。

かわしま屋おすすめの油

オメガ3脂肪酸を豊富に含み、ドレッシング・スムージーなど幅広い料理に役立てることのできる亜麻仁油。
その亜麻仁油にMCTオイル・オリーブオイル・カメリナオイルをブレンドし、脂肪酸を理想的に摂取できるバランスオイルも取り揃えています。




この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

この記事をシェアする

この記事を書いた人

パン作りと温泉をこよなく愛する2児の母。老後は伊豆で大きな犬と暮らすのが夢です。豆乳が好き、猫は苦手。