セイロンシナモンとは?カシアとの違いと、表示・色・香りでの見分け方

監修:管理栄養士 山田最終更新日:2026年10月5日

「セイロンシナモン」という名前を見かけて、ふつうのシナモンと何が違うのか気になった方も多いのではないでしょうか。

結論からいうと、シナモンには大きく分けてスリランカ原産のセイロンシナモンと、中国南部などで栽培されるカシアの2種類があり、学名・形・香り・香り成分「クマリン」の量が異なります。見分けるときにいちばん確実なのは、パッケージの「原産国」と「種類名」の表示です。

この記事のポイント

  • セイロンシナモンの学名は Cinnamomum verum(別名 C. zeylanicum)。カシアは Cinnamomum cassia という別の植物です
  • セイロンは香りが甘く穏やかで辛味が弱く、カシアは香りが強くスパイシーといわれます
  • 東京都の調査では、クマリンの平均含有量はセイロン14µg/g、カシア3,300µg/gでした
  • パウダーは見た目だけでは区別がむずかしいため、表示(原産国・種類名)で選ぶのが確実です

セイロンシナモンとは

セイロンシナモンは、スリランカ(旧国名セイロン)を主な産地とするクスノキ科ニッケイ属の樹木「セイロンニッケイ」の樹皮からつくられるスパイスです。学名は Cinnamomum verum(Cinnamomum zeylanicum とも表記)で、「verum」はラテン語で「本物の」という意味。このことから「真のシナモン」と呼ばれることもあります。

内側の薄い樹皮をはがして乾燥させ、何層にも巻き重ねてスティック状にするのが特徴です。東京都健康安全研究センターの報告でも、食品のシナモンは本来セイロンが使われ、味は甘く辛味は弱いとされていると紹介されています。

カシア(シナニッケイ)とは

カシアは、中国原産の「シナニッケイ(Cinnamomum cassia)」の樹皮です。中国南部やベトナム北部などで栽培されています。東京都健康安全研究センターが市販のシナモンパウダー・スティック15製品を調べた調査でも、8製品がカシアでした。

樹皮はセイロンより厚く、一枚の皮が筒状に丸まった形になります。漢方で使われる生薬「桂皮(ケイヒ)」は、日本薬局方ではこのシナニッケイの樹皮と定められています。生薬として使われる一方で、輸入量の大部分は香辛料としてソースなどの原料に利用されているそうです。

セイロンシナモンとカシアの違い【比較表】

黒い石の上に並べた、明るい砂色のシナモンパウダーと赤みの強い濃い茶色のシナモンパウダー
セイロンシナモンカシア
学名Cinnamomum verum(C. zeylanicum)Cinnamomum cassia
主な産地スリランカ中国南部・ベトナム・インドネシアなど
スティックの形薄い皮が何層にも巻かれ、断面は葉巻のよう厚い皮が一枚で丸まり、中は空洞
色の傾向明るい黄土色〜砂色赤みのある濃い茶色
香り・味甘く穏やか。辛味が弱い香りが強くスパイシー。辛味が強い
クマリン(東京都調査の平均)14µg/g(7製品:11〜17µg/g)3,300µg/g(8製品:310〜6,700µg/g)
クマリンの数値:東京都健康安全研究センター「シナモン含有食品のクマリン分析法及び実態調査」(2008年)表2より。µg/g(マイクログラム毎グラム)は mg/kg と同じ値です。

いちばん大きな違いは、香り成分の一つ「クマリン」の量です。東京都健康安全研究センターが市販のシナモンパウダー・スティック15製品を調べた調査では、セイロンの平均が14µg/g、カシアの平均が3,300µg/gで、カシアはセイロンの200倍以上でした。カシアの中でも産地による差が大きく、ベトナム産の平均は5,400µg/gでした。

クマリンは、とりすぎると肝臓に負担がかかる可能性があるとされる成分です。くわしい考え方は、下の関連記事「クマリンとは?」でまとめています。

セイロンシナモンの見分け方

ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は、パウダー状のシナモンは消費者がセイロンとカシアを見分けるのはほとんど不可能だとしたうえで、パッケージに「セイロンシナモン」と明記した商品があること、スティックなら断面で区別できることを紹介しています。見分ける手がかりを、確実な順に並べると次のとおりです。

1. パッケージの表示で見分ける(いちばん確実)

白背景に立てた、裏面の表示欄が見えるクラフト紙のシナモンの袋と小瓶
  • 原産国:「スリランカ」と書かれているか
  • 名称・種類:「セイロンシナモン」「セイロンニッケイ」と書かれているか
  • 英語・学名:「Ceylon cinnamon」「Cinnamomum verum」「Cinnamomum zeylanicum」の表記があるか

原材料名が「シナモン」とだけ書かれていて、原産国や種類が分からない商品も少なくありません。その場合は、どちらの種類かを判断するのはむずかしいと考えておきましょう。

2. スティックは断面で見分ける

セイロンは薄い皮が何層にも重なって巻かれていて、断面は切った葉巻のように詰まって見えます。カシアは厚めの皮が一枚で丸まっていて、中が空洞の筒状です。

3. 色・香り・味は目安として

パウダーの色は、セイロンが明るい黄土色〜砂色、カシアは赤みのある濃い茶色になることが多いといわれます。香りはセイロンが甘くやさしく、カシアは強くスパイシーです。東京都の調査でも、セイロンは辛味が弱く、カシアは辛味が強かったと報告されています。ただし、色や香りは産地や鮮度でも変わるので、あくまで目安です。

買う前のチェックリスト

  • 原産国が「スリランカ」になっている
  • 「セイロンシナモン」「Ceylon」「Cinnamomum verum / zeylanicum」のどれかが書かれている
  • 有機JASマークなど、栽培方法を第三者機関が確認した表示があるかも参考に
  • パウダーの色は明るめの砂色(目安)

おすすめ商品

かわしま屋 有機セイロンシナモンパウダー(スリランカ産・有機JAS)のパッケージ

有機セイロンシナモンパウダー 30g(スリランカ産・有機JAS)

スリランカ産・有機JAS認定のセイロンシナモン100%。原材料は有機シナモンのみで、東京都瑞穂町のかわしま屋の自社加工所で袋詰めしています。表示例として、袋の原産国・名称もご確認いただけます。

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なお、東京都の調査では「セイロン」と表示されたシナモンサプリメント1製品から2,900µg/gのクマリンが検出され、報告ではカシアが使われている可能性も否定できないとされました。粉末を固めたサプリメントのように中身が見えない商品は、表示だけで判断しにくい場合があることも覚えておきたいポイントです。

カシアは「悪い」シナモンではない

クマリンの話を聞くと、カシアは使わないほうがいいと思うかもしれません。しかしカシアは世界中で料理やお菓子に使われているスパイスで、生薬の原料にもなってきました。BfRも、カシアは「節度をもって」とることをすすめたうえで、家庭で頻繁にたくさんシナモンを使う人は、クマリンの少ないセイロンを選ぶようすすめています。

つまり、ときどきお菓子に使う程度ならどちらでもかまいません。毎日の飲み物やヨーグルトに使うなど量や回数が多い人は、セイロンを選ぶと安心です。

管理栄養士のコメント

管理栄養士 山田

シナモンを選ぶときは、まず袋の裏の「原産国」と「名称」を見る習慣をつけると迷いません。学名で Cinnamomum verum(または zeylanicum)と書かれていればセイロン、cassia ならカシアです。

セイロンとカシアは、どちらが良い・悪いというより、使い方で選ぶものだと考えています。ときどきお菓子に香りづけするならカシアの力強い香りも魅力ですし、毎日の飲み物やヨーグルトに少しずつ使うなら、クマリンの少ないセイロンが向いています。

どちらを選んでも、シナモンは香りを楽しむスパイスです。健康のためにたくさんとるものではないので、ふだんの料理の香りづけの量で楽しんでください。

シナモン利用者の声

カシアとの違いを感じた方・セイロンを探していた方の声

★★★★☆ 2025年12月の投稿(有機セイロンシナモンパウダーをご購入のお客様)

シナモンが大好きですが、シナモンに詳しくなかったので、これまでは手軽に入手できるカシアシナモンばかりを使っていました。 こちらのシナモンは、風味がカシアシナモンの強い香りとは違い、やさしく香ってきます。

★★★★★ 2025年4月の投稿(有機セイロンシナモンパウダーをご購入のお客様)

ただほんとにセイロンシナモンかどうかが不安で色んなサイトを探し、かわしま屋さんに巡り会えて安心して注文する事が出来ています。

★★★★★ 2026年7月の投稿(有機セイロンシナモンパウダーをご購入のお客様)

初めて本物のシナモンを食べました。豆乳コーヒーにふって飲んでいます。市販の物に慣れているので香りが少なく感じましたがこちらの方がおいしいです。

★★★★★ 2024年2月の投稿(有機セイロンシナモンパウダーをご購入のお客様)

スーパーではスリランカ産を見つけられなかったので助かりました。

※かわしま屋でご購入いただいたお客様のレビューを原文のまま抜粋しています(「…」は中略)。感想は個人のものです。

よくある質問

Q. カシアシナモンは体に良くないのですか?

A. カシアは世界中で使われているスパイスで、ふだんの料理やお菓子に使う量なら過度に心配する必要はないと考えられています。ただしクマリンを多く含むため、BfR(ドイツ連邦リスク評価研究所)は節度ある摂取をすすめています。毎日たくさん使う方はセイロンを選ぶと安心です。

Q. スーパーで売っているシナモンはどちらですか?

A. 商品によって異なります。原材料名が「シナモン」とだけ書かれていて種類が分からない商品も多いため、原産国や「セイロン」の表示があるかを確認してください。表示がなければ、どちらかを判断するのはむずかしいと考えましょう。

Q. セイロンシナモンの香りが弱く感じるのはなぜですか?

A. カシアの強くスパイシーな香りに慣れていると、セイロンは控えめに感じることがあります。甘く穏やかな香りがセイロンの持ち味です。香りを立たせたいときは、温かい飲み物に入れたり、少し多めに振ったりしてみてください。

Q. シナモンスティックとパウダーで中身は違いますか?

A. 同じ樹皮を、巻いたまま乾燥させたものがスティック、粉にしたものがパウダーです。スティックは断面で種類を見分けやすく、パウダーは見た目では区別しにくいので表示で確認します。

シナモンの関連記事

参考文献

  1. 東京都健康安全研究センター「シナモン含有食品のクマリン分析法及び実態調査」東京都健康安全研究センター研究年報 第59号(2008)
  2. Bundesinstitut für Risikobewertung (BfR) "FAQ on coumarin in cinnamon and other foods"(2012年9月27日更新版)
  3. 公益社団法人日本薬学会「今月の薬草 シナニッケイ」
  4. 熊本大学薬学部薬用植物園 薬草データベース「シナニッケイ」

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スリランカの屋外で、木陰の乾燥棚に並べて干しているセイロンシナモンのスティック

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この記事を書いた人

東京都出身。酉年生まれ。2児の父。趣味は読書と散歩と足のつぼ押し。
洗濯物をたたむのが苦手。煮豆と井上陽水が好き。

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