ニッキとシナモンの違い|桂皮・肉桂との関係と、香りの使い分け
八ッ橋の「ニッキ」と、カフェで使われる「シナモン」。似た香りですが、同じものなのでしょうか。漢方の「桂皮(けいひ)」や「肉桂(にっけい)」という名前との関係も気になるところです。
結論からいうと、ニッキもシナモンもクスノキ科ニッケイ属の仲間ですが、植物の種類と、使う部分が違います。ニッキは主に「根の皮」を使う日本でなじみのある種類、シナモンは「樹皮」を使うセイロンシナモンやカシアを指すのが一般的です。
この記事のポイント
- ニッキ=ニッケイ(学名 Cinnamomum sieboldii)。根の皮に強い香りと辛味がある
- シナモン=主にセイロンシナモン(C. verum)とカシア(C. cassia)の樹皮
- 漢方の「桂皮(ケイヒ)」は、日本薬局方ではカシア(シナニッケイ)の樹皮
- 「肉桂」という名前は、本来はカシアにつけられるべきものだったとされる
- 生薬として使う場合は医師・薬剤師に相談を。食品としては香りづけの量で楽しむ
ニッキとシナモンの違い
| ニッキ(ニッケイ) | シナモン(セイロン) | シナモン(カシア) | |
|---|---|---|---|
| 学名 | Cinnamomum sieboldii | Cinnamomum verum(C. zeylanicum) | Cinnamomum cassia |
| 主に使う部分 | 根の皮 | 樹皮(内側の薄い皮) | 樹皮 |
| 香り・味 | 根の皮は香りがあり、辛味が強い | 甘く穏やかで、辛味が弱い | 香りが強くスパイシー |
| 身近な使われ方 | 八ッ橋などの風味づけ、ニッキ飴 | 飲み物・お菓子・料理 | 飲み物・お菓子・料理、生薬「桂皮」 |
ニッキ(ニッケイ)とは
ニッキは、植物名を「ニッケイ(Cinnamomum sieboldii)」といい、別名をニホンケイヒともいいます。熊本大学薬学部の薬草データベースでは、中国原産で、インドシナや中国雲南省、日本南部の暖地で栽培・野生化している植物と紹介されています。
日本薬学会の解説によると、ニッケイは樹皮の香りが弱くあまり利用されませんが、根の皮には香りがあって辛味が強く、京都名物の「八つ橋」などの風味づけに使われてきました。ただし最近は市場に出回る量が極端に少なくなり、手に入りにくくなっているそうです。
シナモンとは
一般に「シナモン」として売られているのは、スリランカ原産のセイロンシナモン(セイロンニッケイ)と、中国南部などで栽培されるカシア(シナニッケイ)の樹皮です。セイロンはやや甘味があることから、シナモンの名前でお菓子など食品の香りづけによく使われています(日本薬学会)。
桂皮・肉桂との関係

桂皮(ケイヒ)=カシアの樹皮
漢方で使われる生薬「桂皮(ケイヒ)」は、日本薬局方ではシナニッケイ(カシア)の樹皮と定められています。若い細い枝は「桂枝(ケイシ)」と呼ばれます。日本薬学会によると、セイロンニッケイやニッケイ(ニッキ)は日本薬局方には収載されていません。
熊本大学の薬草データベースによると、桂皮は多くの漢方処方に配合される一方、中国を中心に輸入されるシナニッケイの樹皮の大部分は、香辛料としてソースなどの原料に使われているそうです。
「肉桂」という名前のややこしさ
日本薬学会の解説によると、「肉桂」は享保年間(1716〜1735年)に中国から伝わったニッケイ(C. sieboldii)を指す名前として定着しました。しかし本来、「肉桂」の名称はカシア(C. cassia)につけられるべきもので、ニッケイが伝わった当時に誤って名づけられたものだとされています。ちなみに中国では、カシアの樹皮を「肉桂」、枝を「桂枝」と呼び分けています(熊本大学薬草データベース)。
名前の整理
- ニッキ・ニッケイ・日本桂皮:Cinnamomum sieboldii(主に根の皮)
- 桂皮(ケイヒ)・カシア・シナニッケイ:Cinnamomum cassia(樹皮)。中国名は「肉桂」
- セイロンシナモン・セイロンニッケイ:Cinnamomum verum(樹皮)
生薬としての「桂皮」と、食品のシナモンは別の扱い
同じカシアの樹皮でも、医薬品(漢方薬)の原料として使われる「桂皮」と、スパイスとして売られているシナモンは、扱いが異なります。体調を整える目的で生薬として使いたい場合は、自己判断せず医師や薬剤師に相談してください。食品としてのシナモンは、料理や飲み物の香りづけの量で楽しむものです。
ニッキ菓子やシナモン菓子のクマリン
香り成分のクマリンは、とりすぎると肝臓に負担がかかる可能性があるとされています。東京都健康安全研究センターの調査では、焼八ッ橋(2製品)が40・81µg/g、生八ッ橋は1製品が25µg/g(もう1製品は検出せず)、ニッキ飴は4µg/gでした。同じ報告では、焼八ッ橋なら1日14〜29枚、ニッキ飴なら284粒(体重50kgの場合)が耐容一日摂取量に相当するとされ、ふつうに食べる量でTDIを超えることはないと考えられる、とまとめられています。
香りの使い分け

- ニッキらしい香りを楽しみたい:八ッ橋やニッキ飴など、昔ながらの和菓子で。ニッキそのものは手に入りにくくなっています
- 力強いスパイシーな香りが欲しい:カシア。焼き菓子やシナモンロールなど、加熱して香りを立たせたいものに
- やさしい香りを毎日の飲み物に:セイロン。コーヒー・紅茶・ミルク・ヨーグルトなどに
飲み物やお菓子に“シナモン”として使うなら
毎日の飲み物やおやつに使うなら、香りがやさしく、クマリンの少ないセイロンシナモンが使いやすいでしょう。シナモンの強い香りが苦手な方でも、セイロンなら取り入れやすいという声も多く聞かれます。和の素材なら、きな粉や黒糖とも合わせやすい香りです。
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管理栄養士 山田
「ニッキ」「桂皮」「肉桂」「シナモン」は名前が入り組んでいますが、どれもクスノキ科ニッケイ属の仲間です。違いは、植物の種類と、根の皮か樹皮かという使う部分です。
漢方の「桂皮」は医薬品の原料として使われるもので、食品のシナモンとは扱いが異なります。生薬として体調のために使いたい場合は、医師や薬剤師に相談してください。
食品としては、香りづけの量で楽しむのが基本です。和菓子のニッキの香りが好きな方、シナモンの強い香りが苦手な方は、それぞれの香りの特徴を知って使い分けると、毎日の飲み物やおやつの幅が広がります。
シナモン利用者の声
ニッキの香りと比べた方・苦手だった方の声
★★★★★ 2022年10月の投稿(有機セイロンシナモンパウダーをご購入のお客様)
お店でコーヒーにシナモンを入れてもらうと 大抵ニッキのような強い香りがして、それが普通だと思っていたのですが、 (八つ橋などのニッキは大好きです) 調べると、もっと優しいシナモンがあるそうで、こちらのを購入しました。 コーヒーに入れて飲むと、香りが優しいので飲みやすく美味しくなります。
★★★★★ 2025年2月の投稿(有機セイロンシナモンパウダーをご購入のお客様)
子どもの頃ニッキとかハッカの飴が苦手でした。大好きなアップルパイを頬張った時に 何この味は?とニッキを思い出し 私はシナモンは苦手なのだとずーっと食べないできました。…最初はきなこをちょっと混ぜて でも日が経つにつれて 美味しいかもと きなこの分量がどんどん減っていき シナモン大好きになる日もそう遠くなさそうです。
★★★★★ 2022年8月の投稿(有機セイロンシナモンパウダーをご購入のお客様)
シナモンはニッキに近い香りのものがあるのですが、こちらのセイロンシナモンは、飲み物の味を邪魔しない、ちょっとお香のような香りですが、抑え目な味と香りでちょうどよかったですシナモンが好きな人には薦めたいと思います。
★★★★★ 2024年3月の投稿(有機セイロンシナモンパウダーをご購入のお客様)
上品で繊細な香りがとても心地よいです。…シナモンが苦手な主人もこのシナモンは美味しいと言っています。
※かわしま屋でご購入いただいたお客様のレビューを原文のまま抜粋しています(「…」は中略)。感想は個人のものです。
よくある質問
Q. 八ッ橋のニッキとシナモンは同じですか?
A. 同じニッケイ属の仲間ですが、別の植物です。八ッ橋の風味づけに使われてきたニッキは、ニッケイ(C. sieboldii)の根の皮です。ただし現在はニッキの流通量が少なく、市販品でどの原料が使われているかは商品によって異なります。
Q. 桂皮とシナモンは同じものですか?
A. 日本薬局方の「桂皮」は、シナモンの一種であるカシア(シナニッケイ)の樹皮です。植物としては同じでも、桂皮は医薬品の原料として、シナモンは香辛料として扱われます。
Q. シナモンの代わりにニッキを使えますか?
A. 香りの系統は近いものの、ニッキは辛味が強く、香りの印象が異なります。また、ニッキそのものは手に入りにくくなっています。お菓子や飲み物には、セイロンかカシアのシナモンを使うのが一般的です。
Q. 漢方薬を飲んでいてもシナモンを食べていいですか?
A. 多くの漢方薬には桂皮(カシアの樹皮)が配合されています。料理の香りづけ程度なら問題になりにくいと考えられますが、習慣的にシナモンをとりたい場合は、処方した医師や薬剤師に相談してください。
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