痩せ菌を増やす食べ物と方法|腸からきれいにダイエット
記事の監修
管理栄養士
鶴田ようこ
調理師・管理栄養士。2つの資格を生かし食用油脂製造会社にて品質管理に従事。
菜種油、オリーブ油の品質に関する分析、衛生管理等を行う。
幼い頃から野菜作りの手伝いをしていたことから、季節の野菜料理が得意。
腸内には「痩せ菌」がいて、ダイエット成功のカギを握っている…?!
世界的な科学雑誌「サイエンス」にも発表された腸内フローラと肥満体質との関係。
何度やってもダイエットがうまくいかない原因、もしかしたらあなたの腸内環境にあるのかもしれません!
この記事では、腸内フローラと肥満との関係を詳しく解説。
「やせフローラ」の作り方を具体的にご紹介し、皆さんのダイエットを応援します!
痩せ菌とは?デブ菌とは?
「痩せ菌(やせ菌)」とは主に日和見菌のバクテロイデスというグループに属する数種類の菌のことを呼びます。この菌は脂肪を燃焼して痩せやすい体に導くといわれています。
研究によると、それらの菌が腸内に少ない人に肥満が多いことがわかったそうです。
一方「デブ菌」とは、同じく日和見菌のフィルミクテスというグループに属する菌のことを呼びます。この菌は脂肪や糖をため込むためデブ菌といわれています。
ここで注意が必要なのが「痩せ菌」というものを摂取すればいい!という訳ではないこと。
私たちの腸の中には1,000兆ともいわれる膨大な数の腸内細菌がバランスを保って棲みついています。「同じものを食べているのに、私はなかなか痩せない」という方がいるように、同じような生活をしていても腸内細菌のバランスが崩れてしまっていては、いつまで経っても痩せ菌は増えず痩せないまま。
「痩せ菌を摂取しても無駄!?」と青ざめた方もご心配なく。痩せ菌を「増やす」生活を取り入れて、腸内細菌のバランスを整えれば自然と痩せ菌も棲みつきます。
痩せ菌を増やすための食事や方法は、以下に順にご説明しています。
腸を変えれば体型が変わる!腸内の「デブ菌」の減らし方
腸内細菌にはデブ菌・ヤセ菌がいて、それらが人の体型を決めている―?!
この記事ではテレビでも話題になった腸内細菌と肥満の秘密をご紹介、「肥満フローラ」を「やせフローラ」に変える方法をお伝えします。
腸を変えれば体型が変わる!腸内の「デブ菌」の減らし方の記事を見る
「痩せ菌」は嘘という噂は…?
インターネット上にはさまざまな情報が存在します。
中には「痩せ菌などというものは本当はいないのでは?」「ただ腸内環境を整えて便秘を改善した結果、身体に溜まっていた便が出て体重が減っただけでは?」という疑問も。
前述の論文では、肥満の人間と痩せている人間の腸内フローラを無菌マウスに移植。
同じ食事内容、運動量で飼育して観察したところ、肥満の人間の腸内フローラをもらったマウスだけが脂肪がどんどん増え、実験開始の35日後には痩せている人の腸内フローラをもらったマウスの約20%も脂肪量が多くなったそうです。
これは便をもらう人を変えて実験を繰り返しても結果は同じだったとのこと。
また、後述しますが腸内細菌が肥満を防ぐ仕組みも明らかになりはじめています。
人を対象とした実験ではありませんが、信憑性は高いといっていいでしょう。
腸内環境を整えて便秘を改善すれば便が出て体重が減るのは確かですが、それとは全く違った仕組みで「腸内細菌は肥満を防ぐ」のです。
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痩せ菌でダイエットできるのはなぜ?痩せる仕組みを解説
そもそも、一体どの腸内細菌がどんな仕組みで肥満を防いでくれるのでしょうか?ダイエットに効くとされるその仕組みをご説明します。
痩せ菌はどの細菌が肥満防止に一番役立つのかははっきりとはしておらず、人種や食生活によって違う可能性も指摘されているとのことですが、これらの菌に共通しているのは腸内で「短鎖脂肪酸」を作り出すということ。
「短鎖脂肪酸」とは腸内細菌が食べ物を分解することで生まれる物質で、腸から吸収されて血液に入り、全身に運ばれます。
人が肥満になるのは脂肪細胞が肥大化することが原因ですが、この「短鎖脂肪酸」にはなんと脂肪細胞が栄養分を取り込んで過剰に脂肪が溜まるのを防いでくれる効果が。
さらに「短鎖脂肪酸」は交感神経にも影響を与え、全身の代謝を活性化させて余った栄養分の消費を促してくれるそう。Wの効果で肥満を防止してくれるのです。
こうして自然に肥満を防いでくれる「痩せ菌」、実は誰の腸内にも棲んでいるといわれています。
問題なのはその数。
腸内の「痩せ菌」は、一体どうやったら増やすことができるのでしょうか…?!
痩せ菌を増やすには?食べ物や方法を紹介
人が腸内環境を変えるためにできることはいくつかありますが、その中でも最も影響力が大きいのが「食事を変えること」。
腸内細菌は、私たちが食べたものをエサにして生きています。
そのバランスを変えるためには、「増やしたい菌のエサになるものをたくさん食べる」ことと、「競合する菌のエサになるものを食べ過ぎない」ことが大切!
積極的に摂りたい「痩せ菌」の好物と、食べ過ぎない方がよいものとをご紹介します。
痩せ菌を増やす食べ物
「痩せ菌」と呼ばれるバクテロイデス属の細菌たちのエサとなるのは、ズバリ「食物繊維」。彼らは食物繊維を食べて短鎖脂肪酸を作っています。
食物繊維を毎日しっかりと摂り続けることでそれをエサにする「痩せ菌」が増えてゆくということは、実験結果としても報告されています。
人を対象とした実験で「低脂肪・高食物繊維」の食事をするグループと「高脂肪・低食物繊維」の食事をするグループに分けて観察したところ、早くも24時間後には腸内フローラが変化してきていることが確認できたそうです。
積極的に摂りたい、食物繊維の豊富な食材をまとめました。
ここにまとめられたもの以外でも、野菜や果物には食物繊維が豊富に含まれていますので、「野菜や豆類、精白していない穀類や海藻を積極的に摂る」というように意識してみると良いでしょう。
肥満になりやすい食材
逆に、摂りすぎると「肥満になりやすい腸内フローラ」を作るといわれているのが、白米や麺類、パン、スイーツや肉類です。
食物繊維の量が少なく、糖質やたんぱく質が多く含まれる食材は、過剰摂取にならないように注意しましょう。
「痩せ菌」を増やすレシピ
酢キャベツ
材料
- キャベツ 400 g
- 塩 小さじ 1
- 酢 400 cc
作り方
- キャベツを千切りにします。
- 切ったキャベツをボウルに入れ、塩をまぶして軽く塩もみをし10分ほど置きます。
- 10分たったら、キャベツを保存容器に移します。
- キャベツを入れた容器に、キャベツが漬かるまで酢を注ぎ入れます。
- 蓋をして半日ほど置いたらできあがりです。
動画
コツ・ポイント
カロリーは低いのに食べ応えはあるのでダイエットにぴったりの一品です。 常備菜としてはもちろん、しっかり水分を切ればお弁当に入れられる、いつでも手軽に食べやすい副菜です。
ダイエットや日々の野菜不足解消にも役立つので、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。 【監修:管理栄養士 安藤 ゆりえ】
この「酢キャベツ」、食事の前に100g食べる生活を2週間続けただけで腸の中の「痩せ菌」が実験前の25%も増えたという報告もある実力派。
体験されたタレントさんはそれまでとほぼ同じ食生活を続けたにもかかわらず、体重が2.5キロ、ウエストが8センチも減っていたというのですから驚きです。
お酢と塩が使われていて保存性が高く、作り置きができるので、まとめて作って、まずは2週間食べてみてください。
【 腸活 】五目煮
材料
- 大豆 200 g
- ひじき(乾燥) 5~10 g
- にんじん(1/2本) 100 g
- 油揚げ(1枚) 25 g
- めんつゆ(大さじ3) 45 ml
- はちみつ(大さじ1) 21 g
作り方
- ひじきは水で戻しておきます。
- 人参・油揚げは細切りにします。
- 鍋を熱し油を入れて温めたら、人参と油揚げを入れて炒めます。
- しんなりしたら、戻したひじきと大豆も入れて炒めます。
- 材料にかぶるくらい水を入れ、柔らかくなるまで蓋をして煮込みます。
- 調味料を入れ5分ほどコトコト煮込んだら完成です。
乳酸菌を増やして腸内フローラ改善
痩せ菌を増やすには、痩せ菌の餌を食べるだけではありません!
痩せ菌が増える環境に腸を整えることも大事です。
腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整えると、血行や内臓機能がよくなるといわれています。代謝のよい身体になり、消費カロリーが増え、ダイエットに適した身体になるのです。
腸内環境を整えることは、ニキビや吹き出物などの肌荒れの改善にもつながり、単に痩せるだけでなく全身を内側から綺麗にしてくれます。
さらに、乳酸菌・ビフィズス菌などの善玉菌の摂取には次のような全身への健康効果も。
- ・便通改善効果 ・血糖値の上昇抑制効果 ・免疫力向上効果
- ・血中コレステロールの上昇抑制効果 ・潰瘍性大腸炎の予防効果
- ・ピロリ菌を減らす効果 ・リラックス、ストレス緩和効果
- ・アレルギー症状の緩和効果 ・歯周病、虫歯、口臭の予防効果
善玉菌のエサになり、腸内環境を整えてくれるといわれる食材を積極的に摂取して、代謝がよく健康的な美しさのある身体を目指しましょう!
オリゴ糖 | オリゴ糖 |
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発酵食品 | ぬか漬け、すぐき漬け、すんき漬け、たくあん、キムチ、ヨーグルト、ケフィア、納豆、ザワークラウトなど |
その他 | 乳酸菌サプリメント |
- 「脂肪の蓄積を抑制」してくれるヨーグルトはこれ!
- 乳酸菌はどれも似た効果をもっているといわれていますが、その中でも種類や菌株によって「特にこの効果が優れている」というものが存在します。
- 脂肪の蓄積を抑制する効果に優れているといわれるヨーグルトは、
- 「ガゼリ菌SP株」「植物乳酸菌LP28株」「LGG乳酸菌」「ビフィズス菌B-3」。
- これらは実験で肥満解消に関連する効果が認められているそうです。
- ヨーグルトを選ぶ際には参考にしてみてくださいね。
乳酸菌の種類と効果
私たちの体を守ってくれる免疫機能が集中している「腸」。
整腸作用の他にも、乳酸菌にはさまざまな効果を発揮することがわかってきました。
今回は、乳酸菌に期待できる効果について詳しく紹介していきます。
乳酸菌の種類と効果の記事を見る
乳酸菌の上手な摂取法とは?「大腸の専門医」後藤利夫先生に聞きました。
腸内環境が悪化するとどんな悪影響があるのか、改善するにはどうしたらいいか。
普段見ることが出来ない自分のお腹の中でどんなことが起こっているのか?
乳酸菌サプリの効果なども詳しく解説していきます!
「大腸の専門医」後藤利夫先生についての記事を見る
●管理栄養士からのコメント
腸内には善玉菌、悪玉菌、日和見菌が存在し、この中で最も多いのは日和見菌ですが、人それぞれ腸内環境は異なります。
日和見菌は、腸内細菌の優勢な方の菌になります。
日和見菌を「短鎖脂肪酸を作り出す痩せ菌」に変化させるには、痩せ菌が住みやすい腸内環境にすることが大切です。
住みやすい腸内環境にするには、食事では食物繊維、発酵食品、オリゴ糖等を他の食品とバランスよく摂取すると良いでしょう。
また食事だけでなく適度な運動、睡眠、ストレス発散等も腸内環境を整えるために大切なので、日々の食事内容や過ごし方を見直してみてはいかがでしょうか。
管理栄養士プロフィール
◎鶴田ようこ
調理師・管理栄養士。2つの資格を生かし食用油脂製造会社にて品質管理に従事。
菜種油、オリーブ油の品質に関する分析、衛生管理等を行う。
幼い頃から野菜作りの手伝いをしていたことから、季節の野菜料理が得意。
痩せ菌についてのQ&A
- 痩せ菌を増やすための生活習慣は?
- 「短鎖脂肪酸」を作り出す腸内細菌を増やすための生活習慣ははっきりとは報告されていませんが、適度な運動をし、食事のリズムを整え、自律神経を整えることは腸内環境を整え、代謝のよい身体を作ることにつながるとされています。
- 痩せ菌が移植できると聞いたのですが…
- 実験では人の腸内フローラをマウスに移植して痩せ菌を移植することに成功しました。ただし、ダイエット目的での便の移植は現在のところ一般的には行われていません。
- 痩せ菌を増やすためにおすすめのレシピは?
- 食物繊維の豊富な野菜メインのおかずで、短鎖脂肪酸と近い効果をもつとされる「酢酸」を含むお酢を使った料理がおすすめです。
- 痩せ菌が増えたらたくさん食べても大丈夫ですか?
- 痩せ菌が増えると肥満になりづらくはなりますが、もちろん過剰にカロリーを摂取すれば太ります。
また、痩せ菌が増えたからといって、食生活を元に戻すと腸内環境が元に戻ってしまいますので、バランスを考えて食事しましょう。
- 痩せ菌を増やすのにどのくらいの時間がかかるのでしょうか?
- 食事を変えたところ2週間で痩せ菌が25%増加したという報告があります。「とりあえず2週間」というつもりで続け、継続してみましょう。
参考文献・Webサイト
・NHKスペシャル取材班『やせる!若返る!病気を防ぐ!腸内フローラ10の真実』(主婦と生活者)
・藤田紘一郎『腸で寿命を延ばす人、縮める人』(ワニブックス)