ぬか床とぬか漬けの保存方法|冷蔵庫でぬか床を育てる方法もご紹介
記事の監修
管理栄養士
稲尾貴子
管理栄養士として病院や保育園に勤務した経験があります。延べ1万人以上の栄養指導実績があり、得意分野は糖質制限や塩分制限、減量などの栄養サポートです。
冷蔵庫のない時代から常温で保存食として作られていたぬか漬け。
最近は手軽に始められる少量の袋入りのものなどあり、冷蔵庫で保存する方法もあります。
では、ぬか床は、常温保存と冷蔵保存のどちらがいいのでしょうか?
ここではそれぞれの保存方法やメリットデメリットなど詳しく解説していきます。
ぬか床とぬか漬けの作り方|ぬか床の手入れ方法や野菜の漬け方もご紹介
ぬか床の作り方から基本の野菜の漬け方、変り種食材の漬け方まで詳しく解説。
ぬか漬けを使ったアレンジレシピも紹介しています。
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ぬか床の保存方法
ぬか床は、常温で保存することも冷蔵庫で保存するこもできます。
季節や漬ける食材、容器の大きさなどでどちらにするか選ぶことができます。
常温での保存方法
比較的涼しい場所(25℃前後)に置いてください。
ぬか床は毎日かき混ぜます。
ぬか床の中には酸素が少ない環境が好きな乳酸菌や酵母菌、酸素が多い環境が好きな酪酸菌など多種多様な菌が混在します。
常温では菌の活動が活発になるので、かき混ぜて空気をいれることでそれぞれの菌が増えすぎるのを防ぎます。
冷蔵庫での保存方法
安定したぬか床ができあがったら冷蔵庫で保管することもできます。
夏場の気温が上がる時やしばらく留守にする時、ぬか漬けを食べる間隔を開けたいという場合にも冷蔵保存がおすすめです。
ただし、作ってすぐのぬか床は冷蔵庫には入れないようにしてください。
しっかりと乳酸菌が増えていないぬか床を冷蔵庫に入れると、発酵がうまくいきません。
常温保存と冷蔵保存どっちがいいの?
保存方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
常温保存 | ・大きな容器で作れる (一度にたくさんの食材を漬けたり大きいままで漬けることができる) ・菌の活動が活発なので早く漬かる |
・夏は温度が上がり発酵が進みすぎる ・菌が増えすぎるのを防ぐために毎日かきまぜないといけない ・菌のエサとなる食材を頻繁に入れ替える必要がある ・雑菌が繁殖しやすい |
冷蔵保存 | ・菌の活動が落ち着くのでかき混ぜる回数が減らせる ・野菜を交換する間隔も長くできる ・雑菌が繁殖しにくい ・ぬか床から出してすぐ冷たく食べることができる |
・冷蔵庫に入れるため大きな容器でつくりずらい ・菌の活動がゆるやかになるので漬かるまでの時間が遅くなる |
ぬか床を冷蔵庫で育てる方法
ぬか床が完成し、食材を漬けたり取り出した後はしっかりと混ぜた後表面を平らにならします。
乳酸菌は空気が少ない環境を好むので、空気を押し出すことで活発になります。
容器の周囲やふちに付いたぬかはきれいにふき取ってください。
ぬかが付いたままだとカビの原因になります。
冷蔵庫で保存します。
そのままでも1週間ほど保存できます。
1週間に1日は常温に出してかき混ぜてください。
乳酸菌が活動する25度前後に置くことで乳酸菌が増え、発酵を促します。
●管理栄養士からのコメント
たくさん漬けてたくさん食べたい方、少量ずつ食べたい方など、家族構成、家族の人数や好みなどでも違ってくることでしょう。
それぞれの状況に合わせて容器の大きさを選び、常温で漬けたり、冷蔵庫で漬けたりしてみてください。
ぬか床作りの際には、赤唐辛子や昆布、煮干しを入れるといいですよ。
赤唐辛子には防腐効果がありますし、だし昆布や煮干しは、うま味がグッと増すのでおすすめです。
昆布のグルタミン酸と煮干しのイノシン酸は、同時に入れることで味の相乗効果を発揮してくれます。合わせだしのだしパックなら、そのまま漬けるだけなのでお手軽ですよ。
ぬか漬けに含まれる乳酸菌は腸まで生きて届くといわれていますので、便秘解消や免疫力アップ、アレルギー症状軽減の効果に期待ができます。
是非ぬか漬けを毎日の食事に取り入れてみてくださいね。
管理栄養士プロフィール
◎稲尾 貴子
管理栄養士として病院や保育園に勤務した経験があります。延べ1万人以上の栄養指導実績があり、得意分野は糖質制限や塩分制限、減量などの栄養サポートです。パン作りが趣味の2児の母です。食欲旺盛なこども達のためにパンを作り始めたところ、パンの奥深さに魅了されています。
ぬか床の保存方法Q&A
- ぬか床はどれぐらい冷蔵庫に入れておけますか?。
- 1週間ほどは冷蔵庫に入れておけます。
1週間に1度は冷蔵庫から出し、常温に置いてしっかりと混ぜてください。
- 1週間以上の外出時、ぬか床はどうすればいいですか?
- 中の野菜を取り出し、冷蔵庫で保存しておくことをおすすめします。
容器が大きく冷蔵庫に入らない場合は、塩を多めに混ぜ、表面にぬか3:塩1を混ぜたものをしいてその上に塩をまきます。
水分が多かったり塩分が少ないと雑菌が繁殖しやすいので、ぬかと塩を足し(足しぬか)、水分を減らし塩分を増やしておきます。
足しぬかの場合は、ぬかの5%~7%の塩を混ぜたものをぬか床に足します。
復活させる時はぬか床をよく混ぜ、塩分量が多くなっているので何回か捨て漬けをしてから使い始めましょう。
- ぬか漬けの賞味期限を教えてください。
- ぬかから取り出す前なら、きちんとぬか床のメンテナンスがしてあればしばらく漬けっぱなしでも特に問題ありませんが、塩気や酸味は徐々に強くなります。
ぬかから取り出した後は酸化してしまうため、すぐに食べきるか冷蔵庫で保存してできるだけ早めに食べてください。
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