記事の監修

この記事は管理栄養士の方に監修していただいています

管理栄養士

稲尾貴子

管理栄養士として病院や保育園に勤務した経験があります。延べ1万人以上の栄養指導実績があり、得意分野は糖質制限や塩分制限、減量などの栄養サポートです。

プロバイオティクス

近年よく耳にするようになった「プロバイオティクス」という言葉。
同じ乳酸菌食品でも「プロバイオティクス」とそうでないものとが存在するってご存じでしたか?

この記事では「プロバイオティクス」の定義や効果に加え、ヨーグルトなどの食品からサプリメントまで、さまざまな形で生活に取り入れられる身近な「プロバイオティクス」をご紹介していきます。

プロバイオティクスとは

プロバイオティクスとは

「プロバイオティクス」という言葉を聞くと真っ先に思い浮かぶのは、ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌ではないでしょうか?
正式には、「プロバイオティクス」という言葉は次のように定義されています。

腸内常在菌のバランスを変えることにより宿主に保健効果を示す生きた微生物
(Fuller,1989年)

宿主に保健効果を示す生きた微生物、またはそれを含む食品
(Salminen,1998年)

微生物そのものそれを含む食品の両方を指すのですね。
プロバイオティクスに用いられる有用微生物の条件としては次のような項目が挙げられるそうです。

  • ①胃酸や胆汁酸などの消化管上部のバリアー中でも生存できること
  • ②増殖部位として消化管下部で増殖可能なこと
  • ③便性改善、腸管内菌叢のバランス改善および腸管内腐敗物質の低下などの有効効果を発現すること
  • ④抗菌性物質の産生や病原細菌の抑制作用を有していること
  • ⑤安全性が高いこと

出典:辨野義己(2011)「プロバイオティクスとして用いられる乳酸菌の分類と効能」(モダンメディア 57 巻 10 号)

これまでにプロバイオティクスとして用いられている細菌は、乳酸菌ビフィズス菌などの菌株がほとんど。さまざまな実験を経て効果を検証され、ヨーグルトや飲料、サプリメントなどの形で私たちの生活に取り入れられています。

プロバイオティクスとプレバイオティクス

プロバイオティクス

腸内の常在菌のバランスを変えることによって宿主に保健効果を示すのは、生きた微生物だけではありません。
「プロバイオティクス」と対のようにして使われる言葉に「プレバイオティクス」があります。
「プレバイオティクス」の定義は次のとおりです。

大腸の有用菌の増殖を選択的に促進し、宿主の健康を増進する難消化性食品
(Gibson GR, Roberfroid MB. Dietary modulation of the human colonic microbiota: introducing the concept of prebiotics. J Nutr. 125: 1401-1412, 1995.)

生きた菌ではないけれど、摂取によって腸内の善玉菌を増やしてくれる食品がプレバイオティクスです。
主なプレバイオティクスには次のようなものがあります。

種類 効果
オリゴ糖 ビフィズス菌増殖作用
食物繊維 腸内細菌の活性化
排便量の増加
胆汁酸の吸着効果

出典:清水健太郎,小島将裕,小倉裕司,嶋津岳士(2016)「プロバイオティクス・プレバイオティクス」, 日本静脈経腸栄養学会雑誌Vol.31 No.3 2016

「直接善玉菌を腸内に取り込むプロバイオティクスと比べ、プレバイオティクスは効果が低いのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、プレバイオティクスには「元々腸内にいた善玉菌を増やす」という特徴があり、自分の腸に適した善玉菌を育てることができるというメリットがあります。
効果は個人の腸の状態などによっても異なり、どちらがより効果的であるという結論は出ていないようです。
健康のためには、プロバイオティクスとプレバイオティクス、どちらもバランスよく摂っていくのが良いでしょう。

「プロバイオティクスヨーグルト」って?

プロバイオティクスヨーグルト

市販のヨーグルトや乳酸菌飲料には、「プロバイオティクス」と呼べるものとそうでないものとがあります。
「乳酸菌が含まれている」と記載があっても、それが生きた菌であるとは限らないからです。
中には加熱殺菌がしてあり、乳酸菌は含まれるものの死んでいるということもあります。

「そんなの詐欺じゃないか」と思われるかもしれませんが、実は乳酸菌には生きて腸まで届かなくても腸内環境を整える効果があるといわれています。

乳酸菌は生菌・死菌に関係なく、摂取した場合、その菌数が多いほど、保健効果が高いと考えられる

出典:光岡 知足(2011)「プロバイオティクスの歴史と進化」, 日本乳酸菌学会誌vol.22

プロバイオティクスは「生きたまま摂ることでその菌が腸内で増える」と考えている方も多いのですが、実はそうではありません。
たとえ乳酸菌が生きたまま腸に届いたとしても、人の腸内フローラにはすでにたくさんの腸内細菌が定着しており、身体の外からポンと入ってきた菌がやすやすと根付けるような環境ではないからです。

研究から、乳酸菌は死菌でも腸内フローラを改善する効果があることがわかっており、上記の論文では、ヨーグルトや乳酸菌飲料などの効果は乳酸菌の死骸にあたる「菌体成分」による免疫刺激が主体であるとしています。生菌か死菌か(プロバイオティクスであるかどうか)よりも、摂取する菌数が多いことが大切なのですね。

プロバイオティクスヨーグルトの食べ方

食べ方

プロバイオティクス食品の代表・ヨーグルト。
実験の結果から、毎日200グラムを2週間摂り続けると効果が出るということがわかっているそうです。
摂る際は1回にまとめて200グラムでかまいませんが、菌を生かしたまま摂りたいという場合は食後に摂るとよいようです。

乳酸菌は低温には強く、凍らせても活動を休止するだけでほとんど死なないといわれています。
熱に弱いため60度以上に加熱すると死んでしまいますが、死菌になると効果がなくなるわけではありませんので、料理などに使うのもよいでしょう。

参考:後藤利夫『乳酸菌がすべてを解決する』(アスコム)

生きた乳酸菌を含む食品たち
ヨーグルト以外にも、生きた乳酸菌を含む食品はたくさんあります。
その代表的な食品が、ぬか漬けやキムチなどの漬物類。味噌や醤油など日本の伝統調味料も乳酸菌を含むといわれています。
毎日の食生活に組み込んで、腸内環境の改善を目指しましょう。

プロバイオティクスの効果

効果

プロバイオティクスについては、実験によってさまざまな効果が明らかになっています。
実験によって証明されたプロバイオティクスの機能と、今後明らかになることが期待されている機能とをご紹介します。

<すでに明らかにされているプロバイオティクスの機能および期待される機能>

<すでに明らかにされているプロバイオティクスの機能および期待される機能>
期待される機能
科学的に証明されている健康表示 ロタウイルス下痢症改善作用
抗生物質誘導下痢症改善作用
乳糖不耐症軽減作用
乳児食餌性アレルギー症軽減作用
整腸作用
(・便秘や下痢などの便性の改善効果)
ヒト試験が求められる試験研究 発がんリスク低減作用
(・乳がん、膵がんおよび大腸がんなどの発症を軽減し得るという報告あり)
免疫能調節作用
(・マクロファージの活性化
・ヨーグルトの摂取によるNK活性の上昇、風邪にかかる率の低下の報告あり)
アレルギーの低減作用
(・アトピー性皮膚炎の皮膚症状の改善やかゆみの減少効果の報告あり
・花粉症による鼻づまり症状の改善効果の報告あり)
血圧降下作用
胃内ピロリー抑制作用
(・ピロリ菌の増殖を抑え、除菌する効果の報告あり)
腸内環境改善作用
(・善玉菌を増加させ、腸内腐敗菌を減少させる
・ 腸内腐敗菌が作り出す有害物質・発がん物質の産生を抑える)
過敏性大腸炎、クローン病および潰瘍性大腸炎の軽減作用
(・大腸内で炎症を起こす悪玉菌の数を減らす効果)
Clostridium difficile下痢症の低減作用
食餌性コレステロールの低減作用
乳児および児童の呼吸器感染症の抑制作用
口腔内感染症の低減作用
(・歯周病菌を減らす効果の報告あり)

出典:
・辨野義己(2011)「プロバイオティクスとして用いられる 乳酸菌の分類と効能」,モダンメディア 57巻10号2011
・ 後藤利夫『乳酸菌がすべてを解決する』(アスコム

これらの他にも、ストレスの緩和効果、内臓脂肪の蓄積抑制効果、血中コレステロールの上昇抑制効果、プリン体の吸収抑制効果、血圧の上昇抑制効果、血糖値の上昇抑制効果など、さまざまな効果があるといわれています。

プロバイオティクスサプリについて

サプリ

乳酸菌などのプロバイオティクスは、普段の食事から摂取できるほか、市販のサプリメントから摂取することもできます。

人はひとりひとり全く異なる腸内フローラをもっているため、プロバイオティクスを摂るときにどの菌が自分の腸内に棲んでいる善玉菌と相性がよいかは、摂ってみるまでわかりません
2週間程度継続して飲み続けることで効果が表れてくるといわれていますので、すぐに効果が表れなくても中断せず、ある程度は飲み続けてみることをおすすめします。
効果がない場合は、自分の腸に合ったものを探しましょう。

また、生きたまま腸に届くといわれる菌も、摂取した菌が腸に定着して増殖するわけではないため、効果を継続させるためには飲み続ける必要があります。
飲みやすいタイミングを決め、毎日の習慣にしていきましょう。

●管理栄養士からのコメント

プロバイオティクスと聞くとヨーグルトのイメージが強いのではないでしょうか。
ヨーグルトだけでなくチーズなどの乳製品や、ぬか漬けやキムチなどの漬物や、味噌や醤油などの発酵食品にも生きた乳酸菌は含まれています。

60℃以上の加熱で死菌となってしまいますが、効果がなくなるわけではありませんので、是非毎日の料理に取り入れたいものです。
キムチは、納豆に混ぜたり豆腐にトッピングしたり、さまざまな食品と一緒に食べることで食感や味の印象が変わりおすすめです。

味噌や醤油は、味噌マヨネーズや醤油マヨネーズなどにすると、生野菜やゆで野菜の味付けに手軽に使えますので是非試してみてくださいね。

稲尾 貴子

管理栄養士プロフィール

◎稲尾 貴子

管理栄養士として病院や保育園に勤務した経験があります。延べ1万人以上の栄養指導実績があり、得意分野は糖質制限や塩分制限、減量などの栄養サポートです。パン作りが趣味の2児の母です。食欲旺盛なこども達のためにパンを作り始めたところ、パンの奥深さに魅了されています。

▼公式サイト
https://www.instagram.com/takako.inao/

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プロバイオティクスについてのQ&A

プロバイオティクスは下痢のあとに摂っても大丈夫ですか?
下痢の後は腸内細菌の数が減るため、積極的にプロバイオティクスを摂って腸内細菌のバランスを整えるのがおすすめです。
プロバイオティクスは犬や猫にも効果がありますか?
プロバイオティクスの摂取により高齢犬の抗酸化力が上がったという実験報告があります。
プロバイオティクスには副作用はありますか
健常者については副作用の心配は少ないといわれています。基礎疾患のある方は医師に相談してから摂取してください。
プロバイオティクスを飲むのを途中でやめるとどうなりますか?
プロバイオティクスによる効果を享受し続けるためには、継続して飲み続ける必要があるといわれています。
動物由来のプロバイオティクスと植物由来のプロバイオティクスを同時に摂っても問題ありませんか?
乳酸菌同士がケンカをすることはないので問題ないとされています。

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