びわの葉の効能|びわの葉茶の飲み方やびわの葉エキスの作り方


記事の監修

この記事は管理栄養士の方に監修していただいています

管理栄養士

川野 恵

フリーランスの管理栄養士としてレシピ開発や栄養のコラム作成のほか、外食チェーン店でのダイエットを意識した食べ方を紹介。現在はクリニックにて、生活習慣病などに悩む方々へ栄養指導を行なっている。

びわの葉

古くから「大薬王樹」と呼ばれ民間療法などにも活用されてきたびわの木。
インドや中国では、古来からびわは食用としてだけでなく薬用治療の道具として用いられてきました。

日本では温暖な地域で栽培されており、千葉県、鹿児島県、長崎県などが有名で、びわの葉やびわの種は「びわの葉療法」などにも利用されています。


びわの葉の効能

びわの葉は古くから民間療法の一つとして利用されてきました。
今日でも漢方薬などに含まれていますが、実際にはどの様な効能があるのでしょうか?

昔ながらの使われ方と、近年の研究で明らかになったびわの葉が持つ効能をご紹介いたします。

びわの葉の効能1 血液を浄化する作用

昭和初期頃、大阪大学医学部の安田博士によってびわの葉療法の動物実験が行われました。

びわの葉を煮出して温めたエキスを動物に塗布したところ、血液がアルカリ性に浄化され、臓器などの体の諸機能の改善が確認されたそうです。

現代でも鍼灸院や接骨院などでびわの葉温灸などが利用されています。

 

びわの葉温灸で血液を浄化

びわの葉の効能2 骨粗鬆症を防ぐ効果

びわの葉に含まれるウルソール酸という成分が骨密度の低下を抑制し、強い骨を維持する効果があることが近年の研究で明らかになりました。

温灸として塗布することで骨への作用が期待できることは、びわの葉温灸の代表的な効果といっても過言ではありません。

参考文献:
『ビワ葉の抗骨粗鬆症活性』譚 慧 九州大学学術情報リポジトリ より

 

骨粗鬆症を防ぐ効果

びわの葉の効能3 脂肪分解でメタボ対策

びわの葉を水から煮出して抽出したびわの葉茶が抗肥満作用、つまり脂肪を分解する作用があることが研究によってわかりました。

乾燥のびわの葉があれば比較的簡単に取り入れられるので、手軽にできるびわの葉療法の一つです。

 

脂肪分解でメタボ対策

びわの葉の効能4 咳止め・喘息の改善

古くからの民間療法の一つ、咳止めと喘息にもびわの葉は活用されており、咳止め用の漢方としてもびわの葉は処方されています。

温灸として患部(胸や背中)を温める事でもよりその効果を得られるそうです。

 

咳止め・喘息の改善

びわの葉の効能5 化粧水で肌トラブル防止

びわの葉を焼酎などに漬け込んだ「びわの葉エキス」は殺菌・消毒・鎮痛の効果があると言われています。

虫刺されや口内炎の治療、化粧水としてニキビ予防・乾燥肌にも効果が期待できます。

 

化粧水で肌トラブル防止

アミグダリンの癌への作用について

びわの葉やびわの種に含まれる成分「アミグダリン」が癌に効くと言われて、しばしば癌治療に利用されることがありました。

しかし、アミグダリンが癌に作用した、という情報はがん細胞に直接作用させた場合にのみ認められた現象だそうです。
経口摂取、つまり口から摂取した場合では癌への効果は認められないと医学界では結論付けられています。

びわの葉を利用する場合は癌への効果を期待するよりも、前述した5つの効果を期待する方が良いと言えます。

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びわの葉エキスとは

びわの葉エキス

びわの葉エキスとは、びわの葉を焼酎などのエキスに漬け込み栄養素を抽出したエキスのこと。
家庭でも簡単に作れ、焼酎に漬け込んでいるので腐らずに長期間の保存が可能であり、びわの葉がない地域の人でも手軽に利用できます。

びわの葉エキスは水で薄めてうがいをする使い方と、湿布や傷口・虫刺されに塗る、化粧水として使うなどの用途があります。
湿疹や傷などの皮膚のトラブルなどに効果があると言われています。

びわの葉エキス

びわの葉エキスの作り方

びわの葉エキスの作り方

びわの葉を焼酎に2~4ヶ月ほど漬け込み、葉を取り出した後は数年もつと言われています。
3.31 from 82 votes
調理時間 10 mins
材料(人分) 1

材料
  

  • 乾燥びわの葉 150 g
  • 35度以上の焼酎(ホワイトリカー) 1.8 L

作り方
 

  • 乾燥のびわの葉を数センチの大きさにハサミで刻みます。
  • 刻んだびわの葉を手でもんでおきます。そうすることでびわの成分が出やすくなります。
  • びわの葉を容器に入れて、焼酎を注ぎます。
    エキスがしっかり抽出されるように、35度以上の焼酎を使用してください。
  • 瓶を密封して冷暗所に保管しておきます。
  • びわの葉を漬けた瓶を週に2-3回程度振って混ぜてください。
    2週間に一度、瓶の中のびわの葉の上下を入れ替えてあげるとエキスがより抽出されやすくなります。
  • 夏場なら約2カ月、冬場なら約4カ月たつと、濃い緑色の液体ができます。
    びわの葉エキスを2-4ヶ月程度保管した後、色が茶色くなったらびわの葉を取り出せば、びわの葉エキスの完成です。
  • 出来上がったビワの葉エキスは、常温で保存しても数年持つと言われています。取り出したびわの葉は、布袋に入れて入浴剤として使っていただくこともできます。

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びわの葉エキスの使い方

湿布法

温熱が身体の筋肉、神経、リンパに心地よい刺激を与え、腰痛、ひざの痛み、五十肩、疲れなどに有効と言われています。
副作用もなく、簡単にはじめることができます。

びわの葉エキス湿布法

びわの葉エキスを含んだ布を湿布として利用し、鎮痛などに活用する療法です。
4.09 from 68 votes
調理時間 10 mins
材料(人分) 1

材料
  

  • びわの葉エキス
  • お湯(50℃~60℃)
  • 洗面器
  • ガーゼ 1
  • タオル 1
  • カイロ 1

作り方
 

  • 洗面器に熱めのお湯を入れ、ガーゼを浸し、固く絞ります。
  • 絞ったガーゼにびわの葉エキスを数滴ふりかけて浸み込ませます。
  • 患部にエキスの浸み込んだガーゼを当てます。
  • その上からラップをかぶせ、カイロを乗せ、タオルケットで保温します。
  • そのまま20分ほど保温します。
  • さらに蒸しタオルの上に、ビニールをかぶせ、布団や毛布をかけておくことで熱の持続性は増します。急性期の捻挫などの際は冷湿布を利用しましょう。
    基本的なビワ湿布法にかける時間は、腹部に15分、背部15分、局部15分ほどです。
    びわの葉エキスでかぶれを起こす人もいるため、事前にパッチテストなどを行っておくことをお薦めします。

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塗布法

びわ葉エキス塗布法は、びわ葉エキスを痛みや怪我のある箇所に直接塗る方法です。
びわの葉に含まれる成分が、殺菌作用や鎮痛作用を持っており、体全体の腫れや消炎に利用すると効果的と考えられています。

口内の傷、口内炎、歯槽膿漏、のどの腫れや痛みといった口の中の疾患でも利用することができます。
口内に塗布する場合は、刺激が強いのでエキスを3、4倍薄めて利用しましょう。

口内以外では、おでき、にきび、またすり傷、虫きされ、かぶれ、水虫、深爪などの症状にも効果的と言われています。
顔に塗布する場合は「ビワの葉化粧水」もおすすめです。

びわの葉エキス化粧水

痛んだ箇所の修復能力がとても高いので、化粧水として日常的に使用してさまざまな肌トラブルの予防が期待できます。
3.77 from 116 votes
調理時間 10 mins
材料(人分) 1

材料
  

  • びわの葉エキス 10 ml
  • 精製水 40 ml
  • グリセリン 0.5 ml
  • 保存容器(60mlサイズ) 1

作り方
 

  • びわの葉エキス、精製水、グリセリンを保存容器に入れてよく振れば完成です。
  • 肌の状態やお好みで分量を加減してお使いください。
    乾燥する時期は、グリセリンの量を多めにするとより保湿効果が高まります。

動画

コツ・ポイント

びわの葉エキスでかぶれを起こす人もいるため、事前にパッチテストなどを行っておくことをお薦めします。
出来上がった化粧水は防腐剤を使用していませんので冷蔵後に保存し、2週間ほどで使い切りましょう。
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びわの葉茶の飲み方

びわの葉茶療法は、自宅でも簡単に取り入れることができる療法です。
その名前の通り、びわの葉5-10g程度を、1リットルのお湯で煮出して、他のお茶を飲むように飲む療法です。

びわの葉は体力低下や皮膚の弱い人にも効き目があると考えられています。
カフェインも含まないため寝る前などのタイミングでも安心して飲むことができます。

ただし、あまり多く飲み過ぎるとお腹を下しやすくなるのでご注意ください。

びわの葉茶の淹れ方

乾燥びわの葉を鍋で煮だす方法です。
4.17 from 30 votes
調理時間 5 mins
材料(人分) 1

材料
  

  • 乾燥びわの葉 5~10 g
  • 1 L

作り方
 

  • 乾燥のびわの葉と水を鍋に入れ、火にかけます。
  • お湯が沸騰したら弱火で1~2分ほど煮込みます。
  • 火を止めて、茶こしで葉をこします。
  • びわの葉茶のできあがりです。

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びわの葉が使われてきた歴史

びわの葉

原産国インドや中国でのびわの利用

びわの原産地はインドや中国南部と言われており、昔からすばらしい薬効や癒し効果があると伝えられてきました。
インドの「涅槃経(ねはんきょう)」という教典には、
「びわの木には、枝や葉、根、茎すべてに大きな薬効があるので、病気の人は手で触れたり、香りを嘆いだり、舌でなめることによって、すべての病苦を治す。」
と書かれています。
びわの木は「大薬王樹(最高の薬木)」、びわの葉は「無憂扇(病気を治して憂いを無くす葉)」と呼ばれ、人々に推奨されてきました。

一方中国では、びわの葉を「枇杷葉(びわよう)」と呼び、貴重な植物性の生薬として利用してきました。
「枇杷葉」を配合した漢方薬には「辛夷清肺湯(しんせいはいとう)」、「枇杷葉散(びわようさん)」、「枇杷葉膏(びわようこう)」などがあります。

日本でのびわの歴史

日本におけるびわの葉の歴史は弥生時代にまでさかのぼり、九州や四国に自生するようになりました。
奈良時代には中国から来た鑑真和尚によりびわの葉療法の知識が本格的に伝えられ、仏教医学のひとつとして全国に広められました。

さらに江戸時代になると、びわの葉は「枇杷葉湯」という飲み薬として京都や江戸で人気を得るようになりました。
「枇杷葉湯」はびわの葉に甘草、桂枝などの生薬をブレンドした飲み薬で、夏まけや暑気あたり、日射病、軽い食あたりなどを予防する清涼剤として庶民に親しまれてきました。
その当時からびわの葉は皮膚炎の治療や美容の入浴剤としても活用されており、現代の医療にも繋がっています。

近代に入り、びわの葉療法は全国各地で民間療法として行われるようになりました。
最近ではびわの葉の効用が注目され、一部の病院やクリニックでもびわの葉療法が取り入れられるようになっています。

湿布や入浴剤として使われたびわの葉

はるか昔から日本と中国では、びわの葉を湿布として利用されてきました。

成長したびわの葉は厚くて硬く、表面は濃い緑で光沢があり、20センチほどの細長い楕円形をしています。
そのびわの生葉を水に浸すなどして患部に貼り、新鮮なびわの葉の成分を皮膚に浸透させる方法が主流だったそうです。

また、生葉をお風呂に数枚入れてびわの葉入浴剤として使われることもしばしばあったそうです。
びわの葉の成分を体に吸収させる為の工夫が多くなされてきました。

●管理栄養士からのコメント

日本人が昔から助けられてきた生薬のひとつである「ビワの葉」。
健康的な血液や骨をつくる力をサポートしたり殺菌作用や脂肪に分解する効果が期待できたりと、さまざまなメリットがあると言われています。
しかし、ビワの葉の効果を期待して推奨されるものは、あくまでも民間療法のひとつです。
民間療法は科学的な根拠がないので、医薬品のような効果は期待しすぎないようにしましょうね。
またビワの葉の効能を活用する方法がたくさんあり、どれもこれもやってみたくなるかもしれません。
ですが、まずは1つずつ試すことをおすすめします。
どんなに身体に良いと言われるものでも、個人によって作用の仕方が異なるためです。
自身の身体としっかりと相談しながら、ビワの葉とうまく付き合っていきましょう。

川野恵

管理栄養士プロフィール

◎川野 恵

給食委託会社や仕出し弁当屋での献立作成を経験後、出産を機にフリーランスとして活動。
フリーランスの管理栄養士としてレシピ開発や栄養のコラム作成のほか、外食チェーン店でのダイエットを意識した食べ方を紹介。現在はクリニックにて、生活習慣病などに悩む方々へ栄養指導を行なっている。

身体は食べ物でできている事を意識し、健康で過ごせるよう多くの方を支えていける管理栄養士になりたいと日々活動しています。
SNSやブログを通して、
・管理栄養士として栄養指導に携わりたい!
・血圧や血糖など血液結果を注意された!
・美味しく食べてきれいに痩せたい!
という悩みを解決するための情報を発信しています。

▼Twitter
@kawa040508

びわの葉についてのQ&A

びわの葉にはどんな使い方がありますか?
びわの葉を煮だしてお茶として飲んだり、お風呂に入れて入浴剤として使えます。
また、びわの葉を焼酎につけたびわの葉エキスは、飲用にも化粧水としても使うことができます。
びわの葉エキスはどれぐらいもちますか?
びわの葉を漬ける焼酎が35度以上であれば、常温で保存しても数年もつと言われています。
びわの葉エキスは匂いはありますか?
びわの葉エキスは、若干匂いがしますが、原料がアルコールとびわの葉のみで保存料や添加物を使っていないため自然な優しい香りです。
びわの葉エキスのアルコールが強すぎます。
びわ葉エキスを水で薄め、霧吹きなどで患部に振り掛けてお使いいただくのもおすすめです。
(びわ葉エキスを水で薄めると腐敗しやすくなりますので、その都度使いきって下さい)
びわの葉エキスを赤ちゃんに使用してもいいですか?
びわ葉エキスはアルコールで抽出しておりますので、2歳以下の赤ちゃんには枇杷の葉茶を濃く煮出すか、生のびわ葉を1cm幅に切り、水が半分になるまで煮詰めてお使い下さい。
3歳以上のお子様にびわ葉エキスをお使いになる場合は、びわ葉エキスを水で薄め、霧吹きなどで患部に振り掛けてお使いいただくのもおすすめです。
(びわ葉エキスを水で薄めると腐敗しやすくなりますので、その都度使いきって下さい)

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この記事を書いた人

コンテンツ、写真撮影担当。暇があったらキッチンで発酵食品や保存食品を作ったり、写真を撮ったりしています。趣味は一人で映画に行くこと。