あずき水・あずき茶の作り方|真の効能とダイエットへの活用法



記事の監修

この記事は管理栄養士の方に監修していただいています

管理栄養士

鶴田ようこ

調理師・管理栄養士。2つの資格を生かし食用油脂製造会社にて品質管理に従事。
菜種油、オリーブ油の品質に関する分析、衛生管理等を行う。
幼い頃から野菜作りの手伝いをしていたことから、季節の野菜料理が得意。

あずき水・あずき茶

「あずき水・あずき茶」とは、乾燥の小豆(あずき)を煮た時の煮汁のこと。「小豆スープ」とも呼ばれています。
小豆には強い抗酸化力があり、その小豆の抗酸化力に注目して生まれた飲み物が「あずき水・あずき茶」です。
健康やダイエットに効果があるとメディアで紹介され、注目されるようになりました。

あずき水・あずき茶の作り方

【 あずき水・あずき茶 】

小豆を煮た時の煮汁です。煮出した後の小豆にも栄養素が詰まっているので捨てずに活用してください。
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調理時間 30 mins
材料(人分) 4

材料
  

  • 小豆 100 g
  • 1~1.5 L

作り方
 

  • 小豆をたっぷりのお水でやさしく洗います。
  • あずき茶の場合は、ここで小豆の水分をふき取ってフライパンで炒ります。
  • 大きめの鍋に小豆と水を入れて火にかけ、沸騰したら弱火にしてコトコト煮ます。
  • 30分ほど煮て、小豆と煮汁を分けたら完成です。

コツ・ポイント

【あずき水を作るときのポイント】
・あずき水は痛むのが早いので、大量に作り置きはできません。 できあがったら冷蔵庫で保存し、2~3日で飲み切りましょう。
・使用する小豆は、小粒で色の濃いものがおすすめです。
・じっくり煮出すと、小豆の栄養分がたっぷりと溶け出てきます。 アクも栄養分なので、取り除かずにそのまま煮出しましょう。
・あずき水で残った小豆は、ゆで小豆として食べられます。 ゆで小豆には豊富な食物繊維などが含まれており、あずき水と同じくダイエットにも適した食材。 料理に加えて、小豆の栄養分を余すことなく摂りましょう。
・保温水筒を使う方法もあります。 保温水筒に小豆と熱湯を入れて、フタをして一晩置きましょう。 ポリフェノールがしっかり溶け出るよう、8時間ほど置くのがポイントです。
このレシピのキーワード 小豆, あずき水, あずき茶

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あずき水・あずき茶とその違いとは?

あずき水・あずき茶は小豆の煮汁のこと

「あずき水・あずき茶」とは乾燥の小豆を煮た時の煮汁のことで、あんこやぜんざいを作る時に下茹でをした際に棄ててしまう煮汁もあずき水です。

あずき水とあずき茶の違いは?

あずき水は乾燥の小豆をそのまま使用し、あずき茶は小豆を炒ってから使います。

小豆を炒ることでどくとくな苦みを軽減できるため、あずき茶の方が口当たりも良くなります。
あずき水を飲みにくく感じた方は、あずき茶にしてみてください。

あずき水・あずき茶の魅力は小豆に含まれる栄養

小豆には豊富な食物繊維やポリフェノールなど、さまざまな栄養分がたっぷり含まれています。

・ポリフェノール
・食物繊維
・ビタミンB群
・ミネラル

これらの栄養素を含む小豆でつくるあずき水・あずき茶には、どのような効果があるのでしょうか?

小豆に含まれる栄養素は具体的にどんな効能をもたらすのかについては「高い栄養価をもつ小豆の美容・健康・ダイエット効果と小豆レシピ」で解説しています。

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あずき水・あずき茶の効果

小豆水・小豆茶の効果

小豆の栄養素がたっぷり入ったあずき水・あずき茶の効果について解説します。

効果1 脂質のコントロール

脂質のコントロール

あずき水・あずき茶には、血液中の脂質をコントロールするためのサポート力があります。これは、小豆にたくさん含まれるポリフェノールの「抗酸化作用」によるもの。

抗酸化作用とは、日々身体の中で生まれる活性酸素(老いや炎症のもと)と率先的に結びつき、細胞の酸化を防ぐ働きのことです。抗酸化作用をもつ栄養素を日常的に摂ることで、血液をドロドロにする酸化脂質の生成を和らげることができます。

特に、小豆ポリフェノールの抗酸化作用は強いです(※)。血液中のコレステロールや脂質の酸化を防ぎ、健康的な血液をサポートします。

参考文献:
「小豆ポリフェノールの生体内抗酸化活性と肝臓保護作用」

効果2 代謝をサポート

代謝をサポート

ビタミンB群やミネラルを含むあずき水・あずき茶は、さまざまな代謝を支える力もあります。例えば、ビタミンB群やモリブデンは糖質・脂質・たんぱく質などの代謝、鉄や亜鉛はたんぱく質や血液成分の合成などです。

食事から取り入れた栄養素を上手に使うために欠かせない栄養素が、あずき水・あずき茶の中に含まれています。

参考:「熱中症診療ガイドライン」

効果3 血糖値の上昇を抑える

血糖値の上昇を抑える
あずき水・あずき茶は血糖値の上昇を抑える効果が期待されます。これは、小豆に含まれるポリフェノールに糖質の分解を抑える力があるためです(※)。食事で摂った糖質は、消化液によって分解されて単糖(ブドウ糖)として吸収され、血糖値を上げます。このときαグルコシダーゼという酵素が働くのですが、小豆ポリフェノールがあると上手くブドウ糖まで分解できません。

そのため、あずき水・あずき茶を飲みながら食事を摂ると、糖質が分解できず血糖値が上がりにくくなります。

特に、小豆ポリフェノールの抗酸化作用は強いです(※)。血液中のコレステロールや脂質の酸化を防ぎ、健康的な血液をサポートします。

参考文献:
「小豆ポリフェノールの単回および継続投与が血中グルコース濃度に及ぼす影響」

効果4 むくみの予防

代謝を促進して美肌に

あずき水・あずき茶はむくみの予防に飲むこともできます。

むくみは身体の細胞の中に余分な水分がある状態です。きちんと排泄してあげるためには、水分を溜め込みやすい塩分を排泄しなければいけません。

塩分のもとであるナトリウムは、カリウムとバランスをとりながら身体の中の浸透圧を維持しています。そしてカリウムをしっかり摂ると、ナトリウムをスムーズに排泄しやすいです。

あずき水・あずき茶のようにカリウムを含む食品を定期的に摂ることで、余分な水分を溜め込まないようにサポートできます。

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あずき水・あずき茶がダイエットに効くのは本当?

小豆水・小豆茶がダイエットに効くのは本当?

あずき水・あずき茶がダイエットに効果的なのは本当です。理由としては、血糖値の上昇を緩やかにすること・脂質のコントロールをサポートすること・むくみをとることなどが挙げられます。

しかし、太ってしまった食生活やライフスタイルがそのままであれば、あずき水・あずき茶を飲んだところで痩せることは難しいです。少しでも大丈夫なので太った原因を改善し、サポート役としてあずき水・あずき茶を飲むようにしましょう。

あずき水・あずき茶をダイエットに活用するときのコツ

小豆水・小豆茶をダイエットに活用するときのコツ

あずき水・あずき茶をダイエットに活用するときのコツをお伝えします。紹介する内容を実践していただければ、より効率よく痩せられる可能性が上がります。

あずき水・あずき茶を食前や食間に飲む

あずき水・あずき茶は食前や食間に飲んでポリフェノールのメリットを活かしましょう。

ポリフェノールには、脂質や糖質の吸収をコントロールする働きがありましたね。どちらも摂り過ぎると脂肪の増加につながります。あずき水・あずき茶を食前または食事中に飲むことで、糖質・脂質の摂りすぎないように対策してください。

小豆も食べる

あずき水・あずき茶をつくるために煮込んだ小豆も一緒に食べましょう。

小豆には食物繊維が豊富に含まれ、小豆特有の成分サポニンや溶けだしていない多くの栄養素が残っています。捨ててしまうのはすごく勿体ないですよね。

食事にプラスするのはもちろん、おやつ代わりにつまむのもおすすめです。

食事は整える

あずき水・あずき茶だけに頼らず、食事のバランスを整えましょう。

ダイエットしたいとき、何かを食べるだけ・飲むだけで頑張れたらいいのになという気持ちはとてもよく分かります。しかし、そのような魔法の食材はありません。

「あずき水・あずき茶を飲んでも痩せない!」という方は、太る生活をそのまま続けていないかも考えてみてください。

残った小豆の美味しい食べ方

残った小豆の美味しい食べ方

では最後に、あずき水・あずき茶をつくるときに煮込んだ小豆の食べ方を紹介します。食物繊維と煮汁に溶けなかった栄養素も、美味しくいただきましょう。

ヨーグルトに入れて

ヨーグルトに入れて食べると、腸がよろこぶスイーツに早変わり。無糖のヨーグルトを使うときは、少しはちみつを加えても美味しいですよ。小豆の食感がアクセントになって食べ応えもアップします。

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おにぎりに混ぜて

炊きたてのご飯に小豆と少しの塩を加えておにぎりにすれば、赤飯のような味わいに。塩昆布などと合わせても美味しいです。食物繊維がしっかり摂れるので、ご飯だけで食べるよりも血糖値が上がりにくくなります。

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普段のおかずに加えて

食卓に並ぶさまざまなおかずにチョイ足しすれば、手軽に食物繊維が摂れます。例えば、ポテトサラダやコロッケ、生野菜のサラダやお味噌汁などにも。メイン料理のお肉(ハンバーグやしょうが焼きなど)にも合うので、ぜひ試してみてください。

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ぜんざいやあんこに

もうひと手間加えて、ぜんざいやあんこ、発酵あんこにするのもおすすめです。
詳しい作り方はこちらの記事でご紹介しています。

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●管理栄養士からのコメント

あずき水には、サポニンやポリフェノールが含まれています。
小豆は茹でることによって水溶性食物繊維は水に溶け出し、不溶性食物繊維は小豆に残ります。
あずき水の飲むタイミングとしては、食事の30分前に飲むとよいでしょう。
また毎日スッキリされたい方には、茹でた小豆を食べることをおすすめします。

茹でた小豆はあんことして使うだけでなく、煮物やサラダのトッピング、お菓子のパウンドケーキに混ぜて使ってみてはいかがでしょうか。

ようこ

管理栄養士プロフィール

◎鶴田ようこ

調理師・管理栄養士。2つの資格を生かし食用油脂製造会社にて品質管理に従事。
菜種油、オリーブ油の品質に関する分析、衛生管理等を行う。
幼い頃から野菜作りの手伝いをしていたことから、季節の野菜料理が得意。

あずき水に関するQ&A

あずき水・あずき茶の効能は?
小豆に含まれるポリフェノールの「抗酸化作用」は、血液中の脂質をコントロールするためのサポート力や、血糖値の上昇を抑える効果が期待されます。また、ビタミンB群やミネラルを含み代謝を支える力もあります。あずき水・あずき茶のようにカリウムを含む食品を定期的に摂ることで、余分な水分を溜め込まないようにサポートでき、むくみの予防に繋がります。
あずき水・あずき茶を飲めば痩せますか?
あずき水・あずき茶を飲むだけでは痩せません。ダイエット中に飲むことで、サポーターとしての力は発揮してくれます。
「あずき水」と「あずき茶」の違いは?
あずき水・あずき茶に明確な違いはありません。煮る前に小豆を炒る場合は「あずき茶」と呼んでいるようです。
あずき水・あずき茶で残った小豆をあんこにできますか?
あずき水・あずき茶をつくるために使った小豆は、あんこ作りに利用できます。渋きりが終わった状態なので、下茹でや甘味付けなどを行なって美味しいあんこを作ってくださいね。
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この記事を書いた人

コンテンツ、写真撮影担当。暇があったらキッチンで発酵食品や保存食品を作ったり、写真を撮ったりしています。趣味は一人で映画に行くこと。