米麹の使い方とレシピ|初心者でも失敗しないコツも解説

米麹を使った料理は発酵の力によって食材の旨味を引き出し、栄養価も高められるのが大きな魅力です。日本では古くから味噌や醤油、日本酒などに使われてきましたが、近年では甘酒や塩麹、醤油麹など、家庭でも手軽に作れる発酵食品として注目されています。

本記事では、米麹を実際の食生活にどう取り入れればよいのか、基本的な使い方から米麹を使ったレシピ、コツについて解説します。

日々の料理をちょっとした工夫で格段に美味しく、そして健康的な食事に変えることができます。毎日の生活に取り入れて、体の内側からきれいを目指してください。

もくじ

米麹の基本の使い方

米麹

ここでは、米麹を日常の調理にどう取り入れれば良いかについて解説します。甘酒や塩麹、醤油麹といった代表的な発酵食品を作る方法を紹介します。

米麹の基本的な使い方は「米麹+塩」「米麹+醤油」「米麹+水と保温」といった組み合わせで活用することです。いずれも材料はシンプルで、手順も難しくないため初心者の方でも実践することができます。

塩麹(米麹+塩)にする

陶器に入った塩麹を木製のスプーンで掬っている様子

塩麹は、米麹に塩と水を混ぜて1週間ほど常温で発酵させることで作ります。肉や魚を漬け込むとタンパク質が分解され、素材が柔らかくジューシーに仕上がります。冷蔵庫で保存すれば2~3週間ほどは美味しく使えるため、調味料として常備しておくと大変便利です。

醤油麹(米麹+醤油)にする

醤油麹は、醤油と米麹を混ぜ、1~2週間程度発酵させるだけで完成します。塩麹よりもコクがあり、炒め物やドレッシングのベースとしても重宝します。毎日の味噌汁に少し加えるだけでも、深みのある味わいに変わるため、減塩や味のマンネリ解消にも役立ちます。

甘酒(米麹+水と保温)にする

甘酒

甘酒は「飲む点滴」と呼ばれるほど栄養価が高く、特にビタミンB群や必須アミノ酸が豊富に含まれています。米麹と水を混ぜ、約60℃の温度を保ちながら8時間ほど発酵させることで、麹菌がデンプンを分解し、やさしい甘みが生まれます。朝食やおやつに取り入れると、体に必要なエネルギーを素早く補給できるのが魅力です。

米麹を料理に手軽に取り入れる方法

米麹と米麹を使った料理

発酵の力で旨みを引き出しつつ、調理の手間を減らしてくれる米麹を手軽に取り入れる方法について紹介します。

とくに塩麹や醤油麹、甘酒など、すでに仕上がっている調味料を活用すれば、あっという間に「いつもの料理」が「特別な一皿」へと変えることができます。

塩麴で漬け込む

塩麹は肉や魚、野菜などあらゆる食材に幅広く使える便利な発酵調味料です。特に簡単な方法として、「漬け込み」や「下味付け」が挙げられます。

例えば、鶏もも肉や豚肉、鮭などの魚を塩麹で包むようにまぶしてから30分ほど寝かせ、その後に焼くだけでも風味豊かでやわらかな仕上がりになります。塩麹には麹菌の酵素が多く含まれており、これが食材に含まれるたんぱく質を分解して旨みを増しながら、同時に肉や魚をしっとり柔らかくしてくれます。

また、野菜の浅漬けや即席マリネに応用するのもおすすめです。きゅうりや大根などを一口大に切り、塩麹を少量絡ませて数分から十数分ほど置いておくだけで、即席の漬物として楽しめます。塩麹のまろやかな塩味と旨みが加わることで、シンプルながら奥深い味に仕上がります。

少し長めに漬ければ乳酸菌発酵も進み、さらに豊かな風味が引き出されるのも魅力です。塩麹は思った以上に使い勝手がよく、肉や魚だけでなく野菜とも相性がよいので、一度作り置きしておけば多彩な料理にすぐに応用することができます。

醤油麹を和え物や炒め物に活用する

醤油麹は塩麹と同じく、麹由来の酵素によって食材の旨みを引き出す調味料ですが、醤油の香ばしさが加わっている分、和食に限らずさまざまな料理に活用しやすいのが特徴です。

たとえば、野菜炒めを作るときに仕上げとして醤油麹を加えると、普通の醤油だけでは出せない自然な甘みとコクが生まれます。醤油麹自体が柔らかな塩味を持っているので、塩分過多になりにくいのも嬉しいポイントです。

また、和え物との相性も抜群で、冷ややっこやトマトなど、シンプルな素材にそのまま醤油麹をかけるだけで、発酵の旨みと甘みを手軽に感じられる一品を作ることができます。

ドレッシングとして使う場合は、酢や油と混ぜ合わせるだけで、醤油ベースのまろやかな味わいを楽しめます。少し加えるだけでも料理全体の風味が深まり、普段よりもコク深い味わいを堪能できます。

甘酒を砂糖の代わりにする

甘酒は甘みがしっかりと感じられる自然派の甘味料として使うことができます。甘酒を活用する利点は、単に甘さを補うだけでなく、麹菌由来の酵素や栄養素を一緒に取り入れられることです。砂糖に比べて優しい甘さを加えることができ、さらに味わい全体にコクを与えてくれます。

ドレッシングに甘酒を使うと、酢やオイルと合わせたときにやわらかなとろみが生まれ、サラダをまろやかな味わいに仕上げてくれます。煮物やソースに加えても、甘さに深みが出て砂糖の量を抑えられるので、ヘルシーな料理を作りたいときにも重宝します。

また、お菓子作りにも活用でき、ホットケーキやクッキーなどに甘酒を混ぜると、ふんわりとした食感と自然な甘さが楽しめます。少しずつ好みの甘さを探りながら、砂糖と一部置き換える形で取り入れてみると、甘酒の持つやさしい風味を存分に活かすことができます。

味噌と米麹を組み合わせる

味噌も麹を発酵させて作る発酵食品ですが、仕上げにもう一手間、米麹を加えることで、さらに複雑で奥深い旨みを生み出せます。味噌汁に米麹を少量溶かし入れると、通常の味噌汁よりも甘みとコクが増し、ほのかにとろりとした口当たりになります。

酵素を活かしたい場合は、高温でぐつぐつ煮込むよりも、火を止める直前に加えて沸騰させないようにするのがポイントです。

また、味噌床に米麹を足して漬物や魚・肉の味噌漬けに使うと、風味がさらに豊かになります。味噌と米麹、それぞれが持つ発酵の力で素材の旨みを存分に引き出しながら、みりんなどの甘味を少し加えると、全体がまろやかな味わいになります。漬け込む時間は半日から1日ほどで十分に味がなじむので、前日の夜に仕込んでおけば翌日の食卓にすぐに活かせるのも魅力です。

ただし焦げやすい特性があるため、焼く場合は中火から弱火でじっくり火を通すのがおすすめです。

米麹を活用した人気レシピ

ここからは、米麹を活用したレシピを紹介します。

基本の塩麹や醤油麹、甘酒を使ってアレンジするだけで、味のバリエーションは大幅に広がるはずです。毎日の食卓に飽きがこないように、ぜひ活用してみてください。

はちみつと塩麴のべったら漬け

べったら漬け

はちみつのまろやかな甘さと塩麹のやさしい旨みが絶妙にマッチする、手軽に作れるべったら漬けのレシピです。塩麹が素材の風味を引き立てながら、はちみつのコクと自然な甘みが加わることで、より深みのある味わいに仕上がります。ごはんのお供はもちろん、おつまみにもぴったり。甘じょっぱさがクセになる、ちょっと贅沢な漬け物をぜひお楽しみください。

鯖の醤油麹煮

醤油麹が鯖の脂の旨みを引き立て、奥深い味わいに仕上げた鯖の醤油麹煮のレシピです。醤油麹のまろやかな塩気とほどよい甘さが鯖と絡み合い、ごはんが進む一品です。麹の力でやわらかく煮上がった鯖は、口に入れるとほろりとほどける食感を楽しめます。さっと煮込むだけなのに、手間をかけたような豊かな風味を味わえるのも嬉しいポイント。和食の定番メニューに、ぜひ加えてみてください。

豚肉の醬油麴生姜焼き

醤油麹の奥深い旨みと生姜のさわやかな風味が絶妙にマッチする豚肉の醤油麹生姜焼き。まろやかな塩気の醤油麹が豚肉をやわらかくしつつ、そのコクで味わいを一段とアップさせます。生姜のピリッとした刺激がアクセントになり、さっぱりとした後口も嬉しい一品です。焼き上がりの香りだけでごはんが進む、リピート必至のメニューをぜひ試してみてください。

麹納豆

麹納豆

麹納豆は、発酵食品同士の絶妙な組み合わせで、奥深い旨みと豊かな風味を楽しめる一品です。麹のやさしい甘みとまろやかな塩気が、納豆特有の粘りとコクを引き立て、より複雑でリッチな味わいに。ごはんにのせるのはもちろん、薬味や調味料を加えてアレンジするなど、さまざまな食べ方を楽しめるのも魅力です。発酵食品好きにはたまらない、体にもうれしい発酵食品の組み合わせをぜひ試してみてください。

米麹甘酒とバナナのスムージー

カットされたバナナとグラスに入った甘酒バナナスムージー

米麹甘酒のやさしい甘さと、バナナの自然なとろみ・風味が絶妙に重なり合う、栄養たっぷりのスムージーです。麹由来の甘酒は砂糖不使用でもほんのりとした甘みがあり、バナナのクリーミーな食感と相性抜群。手軽に作れて、忙しい朝やちょっとした小腹満たしにもぴったりです。

初心者でも失敗しない米麹を使うコツ

米麹のレシピ

ここでは米麹を料理に使うときに押さえておきたいコツについて紹介します。

麹の力を最大限に活かすために、ぜひ意識してみてください。

加熱のタイミング

米麹には、たんぱく質やでんぷんを分解する酵素が含まれています。これらの酵素が発揮されることで、肉や魚が柔らかくなったり、甘みや旨みが引き出されたりといったメリットを得られます。ただし、酵素は高温に弱いため、長時間ぐつぐつ煮込むと働きが弱まってしまうことがあります。

したがって、鍋料理やスープなどに米麹を加える場合は、火を止める直前に加える、あるいは煮込みすぎないようにするなど、加熱のタイミングを工夫することで酵素の力をより実感しやすくなります。もちろん、塩麹や醤油麹を調味料として使う場合は、加熱しても旨み自体は残りますが、「酵素を生かしたい」という場合は、極力高温・長時間は避けた方がよいでしょう。

塩分と糖分のバランス

塩麹や醤油麹には塩分が、甘酒を使う際には糖分が含まれています。米麹を使った発酵調味料を複数組み合わせると、味わいは格段に深まりますが、そのぶん塩分や糖分も重複しやすいという点は押さえておく必要があります。

例えば「塩麹で下味をつけた上に、醤油麹も仕上げで使う」という場合、塩分が過度にならないように他の調味料を控えめにするとバランスを取りやすくなります。

また、甘酒をお菓子や煮物に使うときには、普段のレシピより砂糖やみりんの量を減らすなど、一度全体の味付けを見直してみるのもおすすめです。最初はやや控えめに加えて様子を見ながら足していくと、失敗が少なくなります。

焦げやすい

米麹を使った調味料は糖分が多いため、焼き物や炒め物に使うときには特に焦げに注意が必要です。漬けダレをしっかり拭き取ってから焼く、はじめは弱火でじっくり熱を通すなど、ちょっとしたコツが焼きむらや焦げ付きを防いでくれます。

もししっかり漬け込んだ食材を焼くのであれば、あらかじめキッチンペーパーで軽く水分を取るだけでも、表面の焦げやすさが大きく変わります。塩麹や味噌麹を使った焼き料理は短時間でもしっかり風味がのるので、肉や魚だけでなく、野菜を焼く場合にも同様の工夫をするのがおすすめです。

かわしま屋が厳選した米麹

こだわりの米と伝統の技が生み出す、上質な米麹。発酵の力で引き出された自然な甘みと深い旨みは、料理や飲み物をワンランク上の美味しさに引き上げてくれます。味噌や甘酒、塩麹など、さまざまな発酵食品作りにぴったりです。ぜひ、上質な米麹を食卓に加えてみてください。

米麹の使い方とレシピのQ&A

肉や魚を塩麹に漬けるとき、どのくらい漬け込めばいいでしょうか?

漬け込み時間の目安としては、30分から半日くらいが多いです。短時間であっても塩麹の酵素がたんぱく質を分解し始めるので、やわらかくジューシーな仕上がりになります。長時間漬けるほど味は濃くなりますが、塩分過多にならないよう注意が必要です。初めは短時間から試し、徐々にお好みの塩加減を見つけてみてください。

米麹を使った料理が焦げやすいのはなぜですか?

米麹や塩麹、醤油麹、甘酒には糖分が多く含まれているため、焼き物や炒め物の際に表面が焦げやすくなります。焦げ付きを防ぐには、漬けタレを軽く拭き取ってから加熱したり、最初は弱火でじっくりと火を通すなどの工夫をするようにしましょう。仕上げに強火で焼き色をつけると、見た目も香りも良く仕上がります。

甘酒はどんな料理に使うと便利ですか?

甘酒は煮物や炒め物の甘み付けはもちろん、ドレッシングやソースにも合います。お菓子作りにも重宝し、ホットケーキやクッキーに加えると砂糖の使用量を抑えつつ、やさしい甘さとしっとり感を得られます。水分量や甘みを見ながら、砂糖の一部を置き換える感覚で気軽に試してみるのがおすすめです。

味噌料理に米麹を追加する意味はありますか?

味噌汁や鍋料理などに米麹を加えると、さらに甘みやコクが増して一味違った仕上がりになります。味噌も米麹から作られる発酵食品ですが、あえて追加することで、麹の酵素をよりダイレクトに感じられるのが利点です。酵素の働きを生かしたい場合は、高温で長時間煮込まず、仕上げに加えるのがポイントです。

米麹を使った調味料は長く保存できますか?

塩麹や醤油麹などは比較的保存性が高く、冷蔵で数週間から1か月程度は日持ちすることが多いです。ただし、麹が生きている状態のため、フタは完全に密閉せず、ガラス容器などで管理しながらときどきかき混ぜ、発酵ムラを防ぐことが大切です。味噌や甘酒なども日々少しずつ発酵が進むため、風味が変化していくのを楽しめます。期限や管理状態は作り方によって差があるので、においや味に異常を感じたら使用を中止してください。

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この記事を書いた人

コンテンツ担当。趣味は海外サッカー観戦。イギリスで思う存分サッカー観戦をするのが夢です。

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