無農薬農産物生産加加工所「紀和の里」
代表 畑良治
この三年漬け梅干しは自分たちの梅で安心して食べられるものを作りたいと、長年試行錯誤を繰り返してつくりあげた賜物です。
まずは、梅の木の選別からはじめました。
梅は植えてから収穫できるようになるまで最低でも5年かかります。そして収穫できた梅で試作品を作ってみる。
味や色づきの仕上がりが満足できなければ、翌年漬け方を変えてみる、それでもダメなら木の植え替えを、といった具合に、気の遠くなるような道のりでした。
梅の収穫は年1回だけですから試作品作りも年1回。それでもあきらめなかったのは、自分の愛する故郷の自然、山々を守りたい、そのためには、自分の満足できる商品を作り、それを理解してくれる人たちに使ってもらうことが必要だと考えていました。
そうして、やっと納得のいく「梅干」ができました。
品種には南高梅を選んでいません。
今圧倒的に人気のある、大きく見栄えの良い南高梅ですが、これは農薬や化学肥料無しでほとんど育たないのです。
私達が試行錯誤の上で選び出したのは紀和に古くからあった「在来種」でした。
在来種の梅の中でも土に合った品種を選び、育て、収穫し、塩漬けに三年。
その後やっと天日干しし、色付けするという方法で作った梅干です。
長い間樽の中で熟成させることで、酸味や梅干がまろやかになるのです。きれいな色を出すために、紫蘇選びや紫蘇の量にもこだわりました。
通常、「三年物」、「三年漬け」の梅干は、とても高価です。しかし、梅干は毎日食べるものだから絶対に高くてはいけないと思っています。
余計な利益はいらないのです。ただ、私の梅干の価値を理解してくださって、食べてくださる方がいれば、それ以上の欲はありません。
そんな願いを胸に日々、美味しい梅干しづくりに精を出しています。